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日本の空を牽引(けんいん)する日本航空(JAL)とANAホールディングスの航空大手2社。航空ファンも「JAL派」と「ANA派」に二分され、どちらかに乗り続けている人が多い。両社は地方を除くと路線網にさほど差がなく、提供するサービスにも違いが少ないため、どちらを選ぶかは「好み」の要素が大きかった。ところが、JALが航空ファン憧れの上級会員の取得方法を改変したことから、両社を取り巻く状況に変化が生まれている。
どちらを選ぶべきなのか
頻繁に航空機を利用する人が取得を目指す上級会員のステータス。上級会員になると、空港でのラウンジ利用、チェックイン時の優先レーン利用、航空機への優先搭乗、預けた手荷物の優先受け取りなど数多くの優遇を受けることができる。航空券の先行予約前倒しやキャンセル待ち時の優先割り当て、獲得マイルの上乗せなどもあり、高い優越感が得られる。
新幹線などにはない制度で、航空機を利用する上での大きな動機付けになっている。国際線に乗る場合により大きなメリットがあり、エコノミークラスに乗る場合でも、座席や機内食を除きビジネスクラスと同様のサービスを受けることができる。
上級会員になる条件は、基本的には同じ航空会社の航空便を数多く利用し、マイルとは異なるポイントをためる必要がある。資格は通常1年更新で、これは世界共通のルールなのだが、JALとANAは1度資格を取得すると半永久的に保持する方法が存在する。上級会員の資格を得て一定の期間内に特定のクレジットカードを作製することで、カードを所有している間はずっと資格を保有できるようになる。
このため資格を得るために短期間に集中して航空機に乗る人が一定数存在する。旅行などと組み合わせる人もいるが、多くは目的地についた後、ほぼ何もせずに折り返してくる。ひたすら航空機に乗ることだけを目的とするこれらの人は、行程の過酷さから「修行僧」と呼ばれる。
筆者:藤原 直樹(産経新聞)
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2024年11月5日産経ニュースの記事より
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