
第11管区海上保安本部の航空機「ちゅらたか2号」(同本部HPより)
This post is also available in: English
今年5月、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で中国海警局の船からヘリコプター1機が飛び立ち、日本の領空を侵犯した。中国側が前例のない動きを見せる中、日本は“尖閣の空”で「有効支配」を続けている。産経新聞が航空機の放送型自動従属監視(ADS-B)のデータを調べたところ、海上保安庁が尖閣周辺の領空で、航空機による海上警備を日常的に行っている実態が明らかになった。
航空機の位置情報を提供するWEBサイト「Flightradar24」などのデータを基に分析したところ、第11管区海上保安本部の中型ジェット機「ファルコン2000」(ちゅらたか2号)が、尖閣諸島の領空を定期的に飛行し、周辺海域の安定的な維持・管理を行っていた。

ちゅらたか2号はデータで確認できるだけで月に10日前後、尖閣方面へ飛行。中には、深夜に活動しているケースもあった。
5月3日の中国ヘリによる領空侵犯後も、ちゅらたか2号は少なくとも6日間、尖閣諸島の領空から巡視活動を行っていた。
また7月10日に海警船2隻が同海域の領海に侵入した際にも、海保機は領空から巡視を行っていたことが分かった。この時の領海侵入を巡っては、中国海警局の劉徳軍(りゅう・とくぐん)報道官が「釣魚島(尖閣諸島の中国側名称)及びその付属する島嶼は中国固有の領土」などと主張したが、海保は巡視船に加えて航空機も用いて警備を展開。日本による尖閣諸島の有効支配を示した。

オープンデータに残されているのは、あくまで海保の活動の一部だ。11管はちゅらたか2号に加え、巡視船搭載のヘリコプターも合わせ計15機の航空機を運用し、領海警備を行っている。
11管の広報担当者は、「空からも昼夜を分かたず領海警備を行っている。航空機は広いエリアを哨戒するのに有効的な手段だ。尖閣諸島周辺に限らず、航空機を用いて管轄海域の巡視を行い、捜索や救難にも活用している」と話す。
一方で、2024年1月から、尖閣諸島周辺の日本の領空を飛行する海保機や自衛隊機に対して、中国海警船が無線で退去警告を行っているという。
尖閣諸島周辺の接続水域では7月31日、海警船が255日連続で確認され、国有化後の連続日数の最長を更新した。今年は海警船が1日も途切れることなく尖閣沖に出没している。緊張が高まる中、対応に当たる海保は航空機も有効に活用し、24時間体制で警備を続けている。
筆者:西山諒(データアナリスト)
This post is also available in: English