難民を多く受け入れてきた欧州と日本を、客観的なデータに沿って比較してみると…?
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埼玉県川口市のクルド人問題が注目を集め、日本でも難民問題がよく議論されるようになっているようだ。日本政府はこれまで難民の受け入れ数が少ないと批判されてきた。しかし、難民を多く受け入れてきた欧州と日本を、客観的なデータに沿って比較してみると、意外なことが分かる。
例えば受け入れ数の多い英国。内務省などのデータによれば、2023年で難民認定率が99~86%と高いのはアフガニスタンを筆頭にイランやシリア、スーダン、エリトリアなどからの申請者だが、政情が不安定な国が中心。日本も、出入国在留管理庁の発表では、アフガニスタンの場合は認定率は9割程度のようだ。
一方、日本における申請者は、欧州諸国で認定率が低いカンボジアやスリランカなど5カ国が66%を占める。「難民」というと、自国で命の危機に直面し保護を求め逃げてくるというイメージを持つかもしれないが、日本の難民認定申請者は、観光目的などで入国した「短期滞在」や「技能実習」など「正規滞在者」が94%である。つまり、多くは経済上の理由などで日本滞在を延長しようとする、難民とは無関係の申請である可能性があるということだ。「日本が難民に冷たい」などという批判は、単純には受けとれないことが分かるだろう。
筆者:谷本真由美(元国連専門機関職員)
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