国際柔道連盟スポーツダイレクター、全日本柔道連盟と日本オリンピック委員会の常務理事に就任しました。新たな立場でミッションに取り組んでいきます。
judo

6月にブダペストで開催されたIJF総会で。左からウラジミール・パルタ・ヘッドスポーツダイレクター(Vladimir BARTA、チェコ)、ヘドヴィグ・カラカス・スポーツダイレクター(Hedvig KARAKAS、ハンガリー)、マリウス・ビゼールIJF会長(Marius VIZER、オーストリア)(Photo/JUDOs)

This post is also available in: English

日本では学校が夏休みに入り、全国大会シーズンを迎えています。

私も中学・高校時代は、それぞれのカテゴリーの大会に出場し、全国から集まった選手たちとしのぎを削りました。今年も各地で中高生柔道家の熱い試合が繰り広げられるでしょう。中高生柔道家の皆さん、どうかチャレンジ精神を大切に、目の前の試合に全力で臨んで下さい。

さて、私も新しいチャレンジがいくつか始まりました。

そのひとつが、国際柔道連盟(IJF)スポーツダイレクターへの就任です。6月にブダペストで開かれたIJF理事会で理事に選出され、世界の柔道ファミリーとともに新たな立場で仕事をすることになりました。

スポーツダイレクターが担当するのは、オリンピックと、IJF主催の世界選手権、グランドスラムなどのワールドツアーの運営や、国際オリンピック委員会やアジア柔道連盟などの大陸柔道連盟、各国連盟との連携などです。

IJF加盟国は現在、205カ国・地域にのぼります。国連加盟国は196カ国(2025年4月現在)ですから、これを上回る国が柔道でつながっているということになります。このことだけでも、いかに柔道が世界中で親しまれ、必要とされているかがわかります。私の仕事は、世界中の選手が、それぞれのパフォーマンスを最大限発揮できる環境を整え、柔道の魅力と価値の向上に貢献することだと考えています。

スポーツダイレクターのメインの仕事場は、世界各地で開かれる世界選手権やグランドスラムなどのIJF主催大会です。皆さん、大会会場でお会いしましょう! 

judo
IJF総会の様子。理事選出後はすぐに会議に出席。総会では各国代表者のプレゼンテーションなどもありいずれも興味深い内容ばかりだった(Photo/JUDOs)

すべてがリンク。スポーツを通じて社会に貢献するために

一方、国内でも新たな任務を授かりました。

全日本柔道連盟(全柔連)と日本オリンピック委員会(JOC)でそれぞれ常務理事を拝命し、任務にあたることとなりました。

全柔連では国内全体の動きに目を配りながら、日本柔道の振興と発展のために努力していく所存です。中村真一・全柔連会長からは「IJFとの連携をしっかりやってほしい」との指示を受けていますので、私にできることに全力で取り組んでいきます。

JOCでは選手強化の責任者を担います。

私自身、オリンピックには、選手、コーチ、監督として出場した経験があり、2024年パリオリンピックには日本選手副団長として参加しました。こうした現場での経験を活かし、オリンピックでのメダル獲得に向けた競技力向上だけでなく、コーチ・スタッフが安心して指導に当たることのできる環境整備やジュニアカテゴリーの育成、最新のテクノロジーを活用した強化システム構築などに取り組み、沢山の方から応援され、魅力あふれるTEAM JAPANを作っていきたいと考えています。

いずれも重責ではありますが、私の中ではすべてリンクしているので、どの立場でもやることは同じです。

それは、柔道家として、柔道修行を通じて得た経験や知見を社会に還元するとともに、スポーツを通じて国籍、人種、宗教などの違いを超え、より良い社会と世界平和構築に寄与すること——このことを胸に、ひとつ一つのミッションに誠心誠意、取り組んでいきたいと思います。

筆者:井上康生(柔道家)

judo Kosei Inoue
Kosei Inoue
President, Certified NPO JUDOs
judo Kosei Inoue
井上康生 理事長, 認定NPO法人 JUDOs

This post is also available in: English

コメントを残す