長野県と山梨県を結ぶJR小海線と地元の観光地を訪ねる2日間のプレス向けツアー。2日目はバスで山梨県北杜市の観光地を巡った。
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南アルプスの山々を見ながらワインを楽しむことができる絶好のロケーション(相川直輝撮影)

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宿を出るとやはり東京より寒さを感じた。しかし、天気は前日より良好で時折日の光が差し込み、あたりの山々もくっきり見えた。

長野県と山梨県を結ぶJR小海線と地元の観光地を訪ねる2日間のプレス向けツアーに参加した。前日は、小海線の旅を満喫し、小淵沢にある「リゾナーレ八ケ岳」で1泊。2日目のこの日は、バスで山梨県北杜市の観光地を巡る。初めに向かったのは「中村キースヘリング美術館」だ。

中村キースへリング美術館の館内。至る所に鮮やかに描かれた特徴的な人間がデザインされていた(相川直輝撮影)

ヘリングの作品を展示

美術館には、館長の中村和男氏が収集したアーティスト、キース・ヘリングの作品を展示している。ヘリングは1980年代にニューヨークを拠点に活動した芸術家で、作品には鮮やかな色がほどこされた特徴的な人間が描かれている。どこかポップな感じがするが、作品を通してエイズやLGBTQ(性的少数者)の周知に努めたと、学芸員から説明を受けた。館内は作品のみならず、ヘリングが行った社会活動の資料もたくさん展示されていた。

口に広がるブドウの香り

次に向かったのは、ワイナリー「八ケ岳グランヴェールヴィンヤード」。2022年に完成したばかりの新しいワイナリーだ。運営会社がもともと農業を営んでいたことを生かし、ブドウ栽培に重きを置いたワインづくりをモットーにしているという。敷地には真新しい工場と、広々とした畑が広がっている。ワイナリーの1階には、熟成させるために樽(たる)に入ったワインが並んでおり、圧巻だった。

ワインの解説をする醸造家の瀬沼瑠衣さん(相川直輝撮影)

2階に上がるとお待ちかね、ワインのテイスティング。テーブルには白、ロゼ、赤の3種類のワインが並ぶ。ワイナリーで醸造家を務める瀬沼瑠衣さんが、ワインの特徴を話してくれた。近年は暑さが厳しく日照時間も長かったためブドウの糖分が上がっているという。グラスをかたむけると、口には芳醇(ほうじゅん)なブドウの香りが広がった。窓からは南アルプスの山々を一望することができ、まさにぜいたくなひと時だった。

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地元の食材を使用したフレンチ

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ほろ酔いで向かった最後の目的地は、レストラン併設のカフェ「Contrast Cafelys」(コントラスト カフェリス)。地元の食材を使用したフランス料理の昼食をいただいた。八ケ岳の湧き水で育った鱒(ます)のミキュイに芽キャベツのフライとルッコラを合わせたサラダ、メインディッシュは信玄鶏と季節の野菜をグリーンマスタードで仕上げたポワレ。

信玄鶏を使った胸肉のポワレ(相川直輝撮影)

信玄鶏は柔らかく、マスタードがアクセントになる上品な味わいだった。その土地の名産品を使った料理をいただくと、地産地消に貢献した気持ちに。いつもの食事とはまた違う体験ができたように思えた。

昼食を終えて、旅の終着点となる小淵沢駅へ。都心を離れ、自然豊かな場所でその土地ならではの体験をすると、心がリフレッシュされた。

「Contrast Cafelys」のフランス料理(相川直輝撮影)

筆者:相川直輝(産経新聞)

JR小海線で北杜市を訪ねるツアー、来冬スタート

山梨県北杜市は、JR東日本グループの企業と協力し、長野県と山梨県を結ぶJR小海線と地元の観光地を利用したツアーの開催を来冬から予定している。

「八ケ岳グランヴェールヴィンヤード」の真新しいワイナリー(相川直輝撮影)

北杜市の自慢は、八ケ岳や南アルプスの名水を使ったおいしい食事やワイン。市内のワイナリーや美術館といった観光資源とJR小海線を活用した大人向けの1泊2日ツアーを企画し、町の活性化を図る。

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