
一時保育サービス付き休息施設
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男性の育児休業取得率が40.5%となり、初めて4割を超えた。厚生労働省の令和6年度雇用均等基本調査で分かった。
4年度は17.13%、5年度は30.1%と、ここ数年で取得率は急上昇している。
望ましいことだが、女性の取得率は86.6%で、男女で開きがある。政府は男性の取得率を7年に50%、12年に85%にする目標を掲げる。男性の取得をもっと進めたい。男女ともに仕事と育児が両立できる環境を整えることは重要だ。
子育ての負担が女性に集中する「ワンオペ育児」は、母親の孤立や産後うつを招く要因とされる。女性の社会進出と収入増を妨げ、出産意欲を低下させるとの指摘もある。男性が育休を取得する意義は大きい。
男性の育児休業取得率が40.5%となり、初めて4割を超えた。厚生労働省の令和6年度雇用均等基本調査で分かった。
4年度は17.13%、5年度は30.1%と、ここ数年で取得率は急上昇している。
望ましいことだが、女性の取得率は86.6%で、男女で開きがある。政府は男性の取得率を7年に50%、12年に85%にする目標を掲げる。男性の取得をもっと進めたい。男女ともに仕事と育児が両立できる環境を整えることは重要だ。
子育ての負担が女性に集中する「ワンオペ育児」は、母親の孤立や産後うつを招く要因とされる。女性の社会進出と収入増を妨げ、出産意欲を低下させるとの指摘もある。男性が育休を取得する意義は大きい。

男性の取得率が伸びている要因には、育児・介護休業法の改正で、本人や配偶者の妊娠・出産を申し出た従業員に対し取得の意向を確認することを、事業主に義務付けたことなどが挙げられる。
政府は今年4月から、育児休業中の給付を拡充した。夫婦ともに育休を14日以上取得した場合、28日間を上限に、育休前の手取り収入と同じ水準にかさ上げされる。男性が取得をためらう大きな理由の一つに収入減がある。こうした制度を有効に活用したい。
もっとも育休を取ってもほとんど育児をしない「取るだけ育休」はだめだ。取得期間があまりにも短いのも問題である。
厚労省の意識調査では、男性の7割が「1カ月以上」の育休取得を希望しているが、5年度の実績では実際に育休を取った男性の6割近くが「1カ月未満」だった。女性は9割以上が6カ月以上取得している。女性に比べて、男性が育休を取りにくい職場の雰囲気がまだあるのだろう。
課題はほかにもある。中小の事業所では男性の取得率が低いことだ。規模別でみると、500人以上の事業所は53.8%なのに対し、5~29人は25.1%だった。中小は人手不足で、代替要員を確保するのが難しいという事情はあろう。
業務の効率化を進めるとともに、分業の在り方を絶えず見直してほしい。一つの業務を特定の個人ではなく、別の人も対応できるようにしておくことは、危機管理上も重要である。
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2025年8月20日付産経新聞【主張】を転載しています
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