南西諸島などで実施された日米共同実動訓練で、宮古島での陸上自衛隊の物資輸送訓練が、左派団体の妨害で中止される事態となった。沖縄県内では、左派団体による自衛隊への職業差別も起きている。
Defense Minister Gen Nakatani and Okinawa Governor Denny Tamaki

中谷元・防衛相(左)と沖縄県のデニー玉城知事

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沖縄県内で、左派勢力による自衛隊への異常な妨害活動が相次いでいる。9月13日には、南西諸島などでの日米共同実動訓練のうち、宮古島での陸上自衛隊の物資輸送訓練が、左派団体の妨害で中止される事態となった。

宮古島の平良港で船から降ろされた陸自の赤十字マークをつけた車両は、左派団体「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」のメンバーらが港のゲート前でたむろして抗議したため立ち往生し、訓練が続けられなくなった。

陸上自衛隊第15旅団の輸送ヘリCH47JA=那覇市

とんでもない話だ。沖縄を含む日本を中国などの脅威から守り抜く訓練だ。それが十分できなければ抑止力と対処力の向上を妨げ、国民の生命を危うくする。訓練反対は間違っている。中国や北朝鮮の政府や軍部は高笑いしているのではないか。

もとより、言論による批判や訓練を妨げない形のデモは自由だ。一方、訓練車両を通行させない妨害は民主主義のルールに反する。

沖縄県警の対応には疑問符がつく。警察官が駆けつけたが妨害をとめられなかった。公務執行妨害の疑いもあるのに、なぜ取り締まらなかったのか。車両前からの排除や逮捕をためらってはなるまい。

宮古島市では8月にも、防災訓練中の陸自新入隊員に左派団体が拡声器で心ない言葉を浴びせ、憤慨した隊長とトラブルになった。自衛隊への妨害活動のエスカレートを憂慮する。

陸上自衛隊石垣駐屯地で開かれた、陸自と米海兵隊の両司令官による記者会見=9月17日午後、沖縄県・石垣島

県内ではあろうことか、自衛隊への職業差別も起きた。

沖縄市で、青年会などが先祖供養の踊りを披露するイベントに自衛隊のチームが出場しようとしたところ、左派団体「止めよう辺野古新基地建設沖縄市民会議」が「県民感情からして許されない」として主催者側に出場を認めないよう要求した。

この団体は、玉城デニー知事を支える「オール沖縄」系で、立憲民主党沖縄県連の仲村未央県議が共同代表を務めている。知事や立民本部はこのような自衛隊への差別、排斥をやめさせるべきだが、傍観しているのはおかしい。

大多数の県民は自衛隊の活動を支持している。幸い、沖縄市のイベントに自衛隊のチームは参加を認められ沿道の市民から大きな拍手を受けた。その拍手の意味を玉城氏や左派勢力は深く考えるべきだ。

2025年9月18日付産経新聞【主張】を転載しています

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