千葉県成田市で成田山新勝寺の参道を中心に「成田うなぎ祭り」が開催されている。名物のうなぎ料理を盛り上げようと118店舗が参加、約50店舗でうなぎに関係した料理を味わうことができる。
3T23T3YT3NP35AWDY4ZKXIE7PQ-min

老舗うなぎ店「駿河屋」では、職人が備長炭を使い香ばしく焼き上げる=8月8日、成田市(鈴木貴之撮影)

This post is also available in: English

千葉県成田市で成田山新勝寺の参道を中心に「成田うなぎ祭り」が8月28日まで開催されている。名物のうなぎ料理を盛り上げようと118店舗が参加、約50店舗でうなぎに関係した料理を味わうことができる。専門店だけでなく、すし店やてんぷら店、酒蔵やフランス料理店なども関連商品を提供。参加店は年々増加し、祭りのキャッチフレーズ「うなぎのぼりの街 成田」を盛り上げている。

うなぎ祭りは例年、暑さなどで観光客数が伸び悩む7月後半~8月に参道を活気づけようと平成17年から開催され、今回で21回目。

江戸時代創業の老舗うなぎ店「駿河屋」は、成田山総門近くに店を構える。職人がウナギを割く作業から備長炭で焼くまでを参道から見ることができ、香ばしい匂いが参拝客らの食欲を刺激する。

「駿河屋」の特選うな重=8月8日、成田市(鈴木貴之撮影)

山梨県、静岡県産のブランドウナギ「未来鰻」を使った特選うな重は6600円(税込み)。注文を受けてから蒸し始め、備長炭で焼くため香ばしく仕上がるのが特徴だという。同店の若女将(おかみ)、木下良美さんは「今はうなぎ祭りだったから来たというお客さまも多い」と話す。

酒蔵も参加

祭り参加は専門店だけではない。参道の酒蔵「長命泉」の直売店では、テークアウトで片手に収まるカップ入り「ミニうな丼」(税込み1100円)を提供している。同社の滝沢千香子副社長は「参道なので食べ歩きしやすいように深いカップに入れている」と工夫した点を語り「低価格ということで若い人が買うことが多い」と話していた。

酒蔵「長命泉」の直売店では食べ歩きができるミニうな丼を提供している=8月8日、成田市(鈴木貴之撮影)

フランス料理店「シャルルフレンチ ル・タンドール」では「愛知県産ウナギのグリル マディラソース花椒の香り」(ディナー単品ラージ、税込み4800円)を提供。オーナーシェフの加藤朋之さんは「成田はうなぎの街ということで、開店間もない20年前に開発した」という。フレンチの王道といえる濃厚なソースとうなぎの相性は抜群で自慢の味だが、「うなぎでフランス料理をイメージする人は少ない」という。7月の成田祇園祭などでは、「うなぎのパニーニ」(パンで具材を挟んだ軽食)を店頭で販売し、売れ行きは良かったといい「食べてもらえれば、おいしさは伝わる」と自信を示す。

スタンプラリーも実施

うなぎ祭りでは参加店で飲食や買い物をすると押されるスタンプラリーに応募すると、抽選で旅行券など成田ならではの景品が当たる。応募するにはスタンプ3つが必要だが、1店舗で押されるのは2つまで。応募には複数の店に立ち寄る必要がある。

祭りを主催する成田市観光協会の伊藤小澄副会長は「うなぎ店で食事をしたお客さまが、スタンプを押すためにさらに物販店で買い物をするなど街全体に波及効果がある」とした上で「21年前に祭りを始めたころに比べると参道がにぎやかになった」と語り、「今はスタンプラリー目的で来るリピーターも多い」と意義を強調した。

(産経新聞)

This post is also available in: English

コメントを残す