朝鮮半島の南北軍事境界線をまたぐトランプ米大統領(左)と金正恩朝鮮労働党委員長=2019年6月30日、板門店(ロイター)
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令和8年こそ、全拉致被害者の即時一括帰国を実現したい。チャンスは来ると私は思っているが、このところ国内外の情勢は不透明さを増している。昨年を振り返り、今年を展望したい。
「解決へ手段選ばず」高市首相が明言
昨年の朗報は、日米両国で拉致問題解決のために前向きな姿勢を見せる政権が誕生したことだ。
1月に米国でトランプ政権(第2次)が、10月にわが国で高市早苗内閣が、発足した。トランプ氏は10月に来日して家族会と面会し、「解決のためできる限りのことをする」「米朝首脳会談で拉致問題を討論する」と語った。
日程上、面会時間の確保は難しいとの情報もあったが、高市氏をはじめ、政府関係者がぎりぎりまで調整してくれた結果、実現した。
また、高市氏は、政治家になる前から地元・熊本で拉致問題の啓発に取り組んでいた木原稔氏を官房長官兼拉致問題担当相に任命。11月の国民大集会では、「問題解決へ手段は選ばない」とした上で、「すでに北朝鮮側には首脳会談をしたい旨を伝えた」と明言した。
残念だったのは、2月に拉致被害者の有本恵子さん(66)=拉致当時(23)=の父、明弘さんが96歳で亡くなったことだ。その2カ月前の6年12月、住まいのある神戸から車いすで東京に出てきて当時の林芳正拉致担当相へ「解決の道筋を示せ」と大きな声で求めていた姿が、目に焼き付いている。
筆者:西岡力(拉致被害者「救う会」会長)
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2026年1月17日付産経新聞【拉致問題の現場から】より
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