
「加冠の儀」に臨まれる秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さま=9月6日午前、皇居・宮殿「春秋の間」(代表撮影)
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19歳の誕生日を迎えた9月6日、成年式に臨まれた秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さま。快晴のもと、皇居周辺では人々が日の丸を振り、「万歳」の声は宮殿まで響き渡った。


悠仁さまはにこやかに皇居へお入りに。儀式では天皇、皇后両陛下やご夫妻をまっすぐ見つめ、決意を述べられた。

「成年皇族としての責務の重さを自覚し、さらに勉学にいそしむとともに経験を積み、これまで賜りました御恩にお報い申し上げたく存じます」
同日午後2時すぎ、両陛下がご臨席し皇居・宮殿で最も格式が高い「松の間」で始まった「朝見(ちょうけん)の儀」。午前中、中心的儀式「加冠(かかん)の儀」を経た後、初めて両陛下と同席する儀式で、悠仁さまは力強く宣言された。

両陛下はうなずきながら、悠仁さまのあいさつをお聞きに。天皇陛下は「学業に励まれるとともに、皇族としての務めを立派に果たされるよう願っております」と祝福され、皇后さまも「どうぞお元気に様々な経験を積まれますようお祈りしております」と励まされた。
悠仁さまは、加冠の儀でも若々しく、力強い姿を見せられた。

古式ゆかしい未成年の装束「闕腋袍(けってきのほう)」を身にまとい、長さ約6メートルの裾のきぬ擦れの音が聞こえるほどの静寂の中を悠然と歩まれた。
宮中側近らの手で、陛下が授けられた「燕尾纓(えんびのえい)」のついた冠をご着用。冠を固定するひもの「掛緒(かけお)」があご下で結ばれ、長さが調節されると、和ばさみで両端が切りそろえられた。
「パチン」「パチン」。宮殿「春秋の間」に二度、響いたひもを切る和ばさみの音は、古来の「元服」に始まり継承されてきた儀式を象徴する音とされる。

前日の雨天から一転、晴天に。悠仁さまのお住まいの宮邸(東京都港区)がある赤坂御用地周辺や、皇居前広場には早朝から多くの人々が集まり、日の丸を手に成年式を祝った。「万歳」と声があがる中、悠仁さまは車の窓を開けて会釈し、手を振って応えられていた。

すべての儀式などを終え同日夕、宮邸に戻った悠仁さまは、報道陣の声掛けに応じ「成年式を滞りなく終えることができ、安堵(あんど)しております」と述べられた。また、成長を見守られてきたご一家や、関係者に謝意を示し、「成年皇族としての自覚を持ち、皇室の一員としての役割をしっかりと果たしていきたい」と重ねて決意を示された。
秋篠宮ご夫妻は宮内庁を通してご感想を公表。「悠仁が小さかった頃のことを思い出しながら、成年の皇族の一人として公的な務めを果たす節目を迎えるときがきたことに深い感慨を覚えます」とし、「悠仁が一つひとつの事柄を大切に思い、務めを果たしていくことを願っております」と期待された。
筆者:中村昌史、吉沢智美(産経新聞)
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