次世代半導体の国産化を目指すラピダスが、北海道千歳市の工場で試作に着手した。試作は、課題とされる顧客獲得や資金調達のために大きな意味を持つ。

次世代半導体の国産化を目指すラピダスの工場=3月、北海道千歳市
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次世代半導体の国産化を目指すラピダスが、北海道千歳市の工場で4月から試作に着手した。試作は、課題とされる顧客獲得や資金調達のために大きな意味を持つ。事業を軌道に乗せるには、十分な性能を持った次世代半導体の製造能力があることを対外的に示すことが求められる。
半導体は回路線幅が細くなるほど性能が高くなる。かつて半導体の世界シェアで過半を握っていた国内メーカーは微細化競争に敗れ、今では演算や制御といった「頭脳」となるロジック半導体では回路線幅40ナノメートル(ナノは10億分の1)の汎用品しかつくることができない。
そうした中でラピダスが国産化しようとしているのは、世界のどのメーカーも量産できていない回路線幅2ナノの次世代半導体だ。微細化競争に敗れた日本企業が、なぜ2ナノ半導体の試作に挑めるのか。
筆者:高橋俊一(産経新聞)
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2025年5月11日付産経新聞【日曜経済講座】より
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