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「ジャパンモビリティショー」で話題の中心になったセンチュリーは、伝統的なセダンからSUVに、レクサスの最上級セダン「LS」は6輪のミニバンに姿を変えた。「セダン」は、どこへ向かうのか。
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トヨダ(現トヨタ)AA型乗用車(左)とトヨタカローラコンセプト=11月7日午後、東京ビッグサイト(鴨志田拓海撮影)

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東京ビッグサイト(東京都江東区)で11月9日まで開催された「ジャパンモビリティショー」。トヨタやレクサス、また独立したブランドとして新たなスタートを切った「センチュリー」の展示ブースには長い行列ができた。

今回、話題の中心になったセンチュリーは、伝統的なセダンからSUVに、レクサスの最上級セダン「LS」は6輪のミニバンに姿を変えた。各社のブースでもSUVが目立つ。風前の灯火にも見える「セダン」は、どこへ向かうのか。

豊田章男会長「次の100年をつくる」

センチュリーは1967年、トヨタの最高級セダンとして登場。VIPが運転手付きで乗る車として知られ、内閣総理大臣や財界の重鎮も使用している。令和5年にSUVモデルが発売され、今回のモビリティショーではSUVタイプの2ドアクーペも発表された。豊田章男会長は「次の100年をつくる車だ」と宣言した。

トヨタの高級車ブランドとして1989年にアメリカで誕生したレクサスは、今や世界各国で支持されている。ラグジュアリーセダンの意味を持つ高級セダン「LS」は今回、6輪のコンセプトモデルが出展され、大きな話題となっている。

レクサスが発表したLSコンセプト車両=10月29日、東京ビッグサイト(鴨志田拓海撮影)

韓国ヒョンデもセダンなし

アジア圏では初出展の韓国の現代自動車(ヒョンデ)が注目されたが、ブースにセダンはない。本国ではセダンは未だ根強い人気だが日本市場では導入自体未定。IONIQ5などSUVの姿が目立った。

電気自動車(EV)の世界的大手、中国の比亜迪(BYD)もATTO 3などのSUVが目立つ中、先月デザインなどが改良されたEVのスポーツセダン「シール」が展示された。「様々なボディタイプを用意することでお客さまの選択肢も増えれば」と担当者は語る。

カローラは「セダンをあえて選んだ」

トヨタブースでは「カローラコンセプト」を公開。現行ではSUVやツーリングモデルと様々あるが、今回のコンセプトモデルはなんとセダン。「車高の低さ故、各ユニットを詰め込むことが難しいセダンをあえて選んだと」関係者は語る。将来的にはEVなど様々なパワートレインへの対応も検討しているとのこと。

またブース内にはのちトヨタとなるトヨダ自動車(当時)の初の生産型乗用車であるAA型乗用車も展示された。

スカイラインは400台限定車を展示

一方で新型のエルグランドやリーフを発表した日産は、伝統のスポーツセダン「スカイライン」の現行モデルの特別仕様車「400R Limited」を展示。400台限定の特別仕様車で今月13日から注文受付を開始するという。

また、プレスデーで公開され注目を集めた、日産の中国合弁会社の東風日産乗用車公司のBEVセダン「N7」は一般公開はされなかった。中国では発売1か月で受注1万7000台突破するという爆発的人気だが、国内では販売未定だという。

東風日産乗用車公司のBEVセダン「N7」=10月29日午後、東京ビッグサイト(成田隼撮影)

BMWはセダン、メルセデスはクーペ

国外メーカーではドイツのBMWが現行の5シリーズのセダンを展示した。長らく同社の主力モデルとして君臨している。一方でライバルのメルセデスベンツは主力のEクラスの展示がなかった。4ドアクーペのCLAや「コンセプト AMG GT XX」などクーペボディの車両が目立つ。

セダンに求められる新たな役割

今回、展示されたセダンはEVのスポーツセダンが目立った。かつでセダンと言えば、乗り心地や高級感を重視し、ラグジュアリーの要素が強かったが、その流れはSUVやミニバンに向かっている。

セダンは車の基本的な形として、技術面においても重要視されてきたが、ユーザーの需要の変化とともに、環境、スポーツといった新たな役割や性能が求められている。

筆者:鴨志田拓海(産経新聞)

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