
ミャンマー中部マンダレーで、ビルの倒壊現場で救助にあたる人々=3月30日(ロイター)
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ミャンマー中部で起きた大地震の被害が拡大している。
報道によれば、死傷者は数千人となり、震源に近いマンダレーなど各地では倒壊した建物の下敷きとなった人々の救助活動が続けられている。隣国タイの首都バンコクでも高層ビルが倒壊し、多数が行方不明である。
ミャンマー軍事政権は地震直後、国際社会に異例の支援要請を行い、軍事政権と近い中国とロシアは既に救助隊を派遣した。軍事政権と距離を置く西側諸国でも、米国が支援を表明した。日本や東南アジア諸国連合(ASEAN)も急ぎ救援活動を進める必要がある。

4年前のクーデター以降、軍事政権は、東南アジアや国際社会から孤立している。しかし、被災者の生存率が著しく下がる「発生後72時間」が過ぎ、一人でも多くの人命を救うことを最優先すべきときだ。国際社会は人道支援に全力を挙げなければならない。
国軍トップのミンアウンフライン総司令官は「どんな組織や国であれ、わが国の困窮した国民を支援しに来るのであればぜひ歓迎したい」と述べた。
軍事政権に注文がある。支援受け入れにあたり、国民への弾圧を即刻やめるべきだ。国際的な支援部隊が被災地で即活動するためにも不可欠である。

ミャンマー民主派の政治組織「挙国一致政府(NUG)」などは、救助活動を最優先するため被災地で30日から2週間の停戦を履行すると発表した。
しかし、ミャンマーの人権状況に関する国連のアンドリュース特別報告者は、英メディアに地震後も国軍が空爆を複数の地域に行ったと述べた。
事実であれば、絶対に容認できない行動である。
支援物資が軍事政権と対立する地域に行き渡らない事態も懸念される。最も必要とされる場所に人道支援が届くのを阻止されることがあってはならない。国連は、支援活動の地域格差が生まれぬよう監視すべきだ。
日本は軍事政権と距離を置いているが、ミャンマーは本来親日的な国であり、日本に多くのミャンマー人が住み働き、祖国の惨状に言葉を失っている。
大地震など幾多の自然災害への対応を積み重ねてきた日本だからできる活動を、ミャンマーで行ってほしい。
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2025年3月31日付産経新聞【主張】を、一部情報を更新して転載しています
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