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20回目を迎えた「竹島の日」。記念式典が開催される会場近くで、厳重な警備をする警察官 =2月22日午前、島根県松江市(柿平博文撮影)
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島根県が条例で制定した20回目の「竹島の日」を2月22日迎えた。
歴史的にも国際法上も竹島(島根県隠岐の島町)は紛れもない日本固有の領土だ。韓国が不法占拠し、70年以上が経過している。わが国への明白な主権侵害であり、決して許されない。
にもかかわらず、政府から竹島を取り戻そうという気概が感じられない。北方領土の日(2月7日)は政府制定なのに、「竹島の日」がいまだに県制定なのはどうしたことか。
しかも、県などが22日に松江市で開く式典に政府が派遣するのは、13年連続で内閣府の政務官である。なぜ首相や閣僚は出席しないのか。首相のビデオメッセージすらない。
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領土と国民を守るのは国の責務であり、島根県が担ってきた活動は本来、政府が行うべきことだ。政府は返還実現に全力で取り組まねばならない。
今年は日韓国交正常化60周年である。不法占拠に目を背けて友好親善だけを深めようとしているのなら本末転倒で、国益を損なうだけだ。
竹島では江戸時代から幕府の許可を得たアシカ猟が行われ、遅くとも17世紀には領有権を確立している。明治38年の閣議決定で島根県に編入した際、どの国からも抗議はなかった。
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サンフランシスコ平和条約の発効直前、韓国が沿岸水域の主権を示す「李承晩ライン」を一方的に設定し、自国領であるとの主張を始めた。同条約で竹島を日本の領土として扱っていることに対抗した不法占拠であり、韓国が行ういかなる措置にも法的な正当性はない。
政府は東京・霞が関にある「領土・主権展示館」を今年4月にリニューアルオープンする。これを機に、政府は国内外への積極的な情報発信を強めるべきだ。
日本との安全保障協力を進めてきた尹錫悦大統領は「非常戒厳」宣布で弾劾訴追された。次期大統領の有力候補である革新系最大野党「共に民主党」の李在明代表は尹政権を「親日売国政権」、日本を「軍事敵性国家」と批判してきた。同党の国会議員らは昨年4月、日本の中止要求を振り切って竹島に上陸している。
石破茂首相は主権を守るため、反日の動きには毅然(きぜん)とした姿勢で臨んでもらいたい。
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2025年2月22日付産経新聞【主張】を転載しています
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