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高市早苗首相が臨時国会で、就任後初めてとなる所信表明演説を行った。注目点の一つに安全保障政策がある。日本が主体的に防衛を充実させていく姿勢を示したことを評価したい。
Sanae Takaichi First Policy Speech

衆院本会議で所信表明演説を行う高市早苗首相=10月24日午後、衆院本会議場(梶山裕生撮影)

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高市早苗首相が臨時国会で、就任後初めてとなる所信表明演説を行った。

物価高対策や経済成長策、社会保障改革、排外主義とは一線を画した外国人対策などの推進を掲げ、「日本列島を強く豊かに、日本を再び世界の高みに押し上げていく」と語った。

政策通の首相らしい演説だった。国家国民のため果敢に取り組んでもらいたい。

所信表明演説を行う高市早苗首相(©首相官邸)

注目点の一つに安全保障政策がある。日本の独立と平和、国民の生命を守り、繁栄していく上で、確かな安全保障は欠かせない。

首相は令和4年12月に制定された国家安全保障戦略など安保関連3文書について、来年中の改定を目指し検討を始めると表明した。国家安保戦略は9年度予算において、防衛費とそれを補完する関連予算の総額を4年度の国内総生産(GDP)比2%にする方針をうたっている。首相は補正予算を活用し、2%の目標を2年前倒しして今年度中に実現すると演説した。

3文書改定や防衛関係費の前倒し増額は国民の安全を高めるはずだ。首相が、日本が主体的に防衛を充実させていく姿勢を示したことを評価したい。

首相の表明は、日本をとりまく安全保障環境が厳しさを増していることへの強い危機感があるからだろう。就任直後の記者会見で首相は、ロシアのウクライナ侵略でドローン(無人機)の使用が急速に広がっている点などを指摘した。「最近の戦いの対応がずいぶん変わってきた」「もう一刻を争う状況だ」と述べ、3文書見直しで防衛力の抜本的強化を進める考えを示した。

中国海軍の最新鋭空母「福建」=9月11日、東シナ海(防衛省統合幕僚監部提供)

現行の3文書を制定して岸田文雄政権(当時)が着手した防衛力の抜本的強化は画期的だったが、時代の変化が見直しを迫っているということだ。

中国や北朝鮮など周囲の核武装した反日的な専制国家は軍拡を進めている。日本は防衛力の強化と積極的な外交で抑止力を高め、同盟国米国やオーストラリア、韓国などとも協力して平和を守りたい。首相の安保重視の姿勢は「戦争への道」ではなく「戦争を防ぐ道」である。

どのような防衛力がなぜ必要なのか、財源はどうするのか、高市政権は国民へ丁寧に説明してほしい。そうすれば必ずや理解と支持を得られるだろう。

2025年10月25日付産経新聞【主張】を転載しています

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