復興のシンボルとなったトキが大空を舞う(©大山文兄)

The Japanese crested ibis, a symbol of recovery, flying with a small branch against a radiant clear blue sky. (Inside image ©Fumie Oyama)

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New Year's Earthquake: Disaster Resilience is a Societal Responsibility

(新年の地震:災害復興の力を持つことは社会的責務だ)

この1年を振り返る時期がやってきた。英語ニュース・オピニオンサイト、JAPAN Forward(JF)で今年最も読まれた記事は何か調べてみた。上の英文(日本語訳)が、その記事の見出しである。今年元日に発生した石川県能登半島地震を受けて翌2日に掲載した記事だ。

「新年の地震」は、お正月を祝おうと集まっていた家族や愛する者を奪い、家や町を破壊した。沿岸は津波にも襲われた。米政治学者で、元在沖縄米海兵隊外交政策部次長のロバート・エルドリッヂ氏がそれを記事にした。

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危機の中で試される復興する力

日本は、震災を避けて通ることはできない。だからこそ、災害に備え、発災後も悲しみと絶望の淵にある人々と手を携えて社会全体で支え、共に復興する力を持つことが重要なのだ。震災はそのことを、私たちに教えていると、記事は訴えかけている。

能登半島は、9月には記録的豪雨にも見舞われた。それでも、人々は二度にわたる災害から立ち上がろうと歯を食いしばる。JFはそうした人々や、一度は絶滅したトキを復活させ、震災からの復興のシンボルにしようと奮闘する人々を取材し、「希望の物語」として世界に発信している。

日本は、地震以外にも多くの課題を抱える。65歳以上の人口が29.3%(2024年)と、世界一の高齢化が進む。2070年には、それが39%になるとの予測もある。急速に進む産業競争力の低下も問題である。エネルギー自給率や食料自給率は先進国の中でも非常に低い。そんな日本に、本当に活路はあるのか―。

輪島港に水揚げされる魚。能登半島地震後初めて出荷された=10月31日午後、石川県輪島市
輪島港に水揚げされる魚。能登半島地震後初めて出荷された=10月31日午後、石川県輪島市
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過去に学ぶ強靭さ

その答えは私たちの歴史の中にある。幾度の戦乱や破壊、原爆投下、第二次大戦の敗戦を乗り越え、想像を絶する苦難と逆境の中、日本は立ち直ってきた。そのことをいま一度、思い起こすときである。

2011年3月11日、東日本大震災で原発事故を経験した日本には、安全性を格段に高めた次世代型原発を開発する責務がある。それは安定したエネルギー供給と地球温暖化対策に貢献することを意味する。安全な原発を輸出することにもつながるではないか。あきらめたら、先人たちの努力はすべて無に帰す。

超高齢化社会だからこそ、安心と安全を確保し、成長をもたらす国家総動員のデジタル化は待ったなしだ。超高齢化社会と地震への備えを両立させるロボット技術や建設技術も必要とされている。

日本は逆境の中、発想を転換して生き残ってきた。私たちに求められているのは、考えてこなかったことを考え、逆境に打ち勝つ発想で変革を起こしていくことである。日本には、その力があると信じたい。

JFでは、来週から今年最も読まれた記事トップ25のカウントダウンが始まる。世界の読者がどんな記事に関心を示したのか、あなたにとって今年一番のニュースがその中にあるのか、比較するのも面白いのではないか。

ちなみに、JFチームにとって今年一番のニュースは、新たなロゴを作成し、今月、JFサポーターの懇親会で発表できたことだろう。新ロゴは先にリニューアルしたホームページ(HP)のトップページにすでに使われている。

 新ロゴは、JF創設時の思いを生かしながらも新たなブランドへと変革する決意をデザインにこめた。JFは日本発のユニークな日英バイリンガル・メディアへと脱皮すべく、進化し続けていきたい。

筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)

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2024年12月16日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています

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