米海軍横須賀基地に入る原子力空母ジョージ・ワシントン=2024年11月22日(共同通信社ヘリから)
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10月27日に来日したドナルド・トランプ米大統領は28日、高市早苗首相と対面では初めてとなる日米首脳会談に臨んだ後、横須賀港(神奈川県)に停泊する原子力空母ジョージ・ワシントンの視察にともに向った。そこで、乗組員らを激励し、日米両国の結束をアピールした。威風堂々としたいでたちで、海洋での覇権を狙う中国や、核やミサイルの開発を続ける北朝鮮など極東全域へのにらみを利かせる。
ジョージ・ワシントンは米国の初代大統領の名前に由来する。搭載された原子炉の核反応で生じた熱エネルギーを使い、蒸気タービンを回すことで進む。米海軍では1960年に進水したエンタープライズが最初の原子力空母だった。
東京タワーを寝かせたような巨大な空母
1992年に就役した。在日米海軍司令部のX(旧ツイッター)や横須賀市などによると、大きさは世界最大級で全長約330メートル。東京タワー(333メートル)を寝かせた感じで、横幅は75メートル超ある。飛行甲板(1万8210平方メートル)は東京ドームのグラウンドの1.4個分の大きさもある。
軍事評論家の潮匡人氏によると、「米空母は、衣食住の生活すべてがそろった、ひとつの街のようなものだ。教会や裁判所、大学院の博士課程などもある」と話す。満載排水量は10万トンを上回る。最高速力は30ノット(時速55キロ)を上回る。同空母は戦闘攻撃機やヘリなど70機ほどを搭載し、イージス艦や駆逐艦、巡洋艦、補給艦などとで構成される空母打撃群を率いる。米海軍にはこうした空母打撃軍が11あり、世界の各方面に派遣される。ジョージ・ワシントンは米インド太平洋軍に所属し、ハワイからインド辺りまでが基本的な活動エリアとされるが、「湾岸戦争などのような事態になれば、地球の裏側まで向かうこともありえます」(潮氏)。
筆者:村上智博(産経新聞)
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