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かつて「ブルートレイン」と呼ばれ、日本各地の交通網を支えた夜行列車が復活の兆しをみせている。インバウンド増加に伴い、宿泊料金が高騰する中、宿泊と移動を兼ね、夜の旅情も味わえる夜行列車の良さが見直されている。
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観光客らに人気の「ウエストエクスプレス銀河」(JR西日本提供)

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かつて「ブルートレイン」と呼ばれ、日本各地の交通網を支えた夜行(寝台)列車が復活の兆しをみせている。JR西日本が令和2年に関西と山陰を結ぶ新たな夜行列車の運行を開始したところ、ほぼ満席が続く人気ぶり。JR東日本も9年春から首都圏と北東北を結ぶ新たな夜行列車を運行する。インバウンド増加に伴い、宿泊料金が高騰する中、宿泊と移動を兼ね、夜の旅情も味わえる夜行列車の良さが見直されている。

JR紀勢線を運行する「ウエストエクスプレス銀河」=和歌山県那智勝浦町(JR西日本和歌山支社提供)

金曜の夜出発…半日の鉄道の旅へ

3連休前日の11月21日午後9時過ぎのJR京都駅。普段は京阪神地域の行き先が表示される案内板に下関の文字が光った。ホームにJR西の夜行列車「WEST EXPRESS銀河」が到着すると、観光客らしき若者や家族連れなど多くの人が乗り込み、およそ半日の鉄道の旅を楽しんだ。

JR西は新型コロナウイルス禍の2年、旧型車両を改造した銀河を一度は廃止した関西と伊勢・中国方面で復活。今月は京都から大阪駅を通り、山口県の下関駅間を週に数往復している。京都から下関までの座席の料金は約1万2900円からで、観光需要の回復で人気が高まり、平日でも満席の日が続く。

JR東日本も今年6月、新たな夜行列車を運行する計画を発表。外観はかつての寝台列車「ブルートレイン」をイメージした。

JR東日本が導入する新たな夜行列車の先頭車両イメージ(JR東提供)

衰退と復活の要因は

これまで夜行列車が衰退していった理由について、鉄道アナリストの川島令三(りょうぞう)さんは、新幹線や航空機、夜行バスとの価格競争で需要が低下したとする。国鉄の分割民営化で夜行列車の運行利益が路線を持つJR各社に分配され、収益性が低下したことも要因という。

実際、夜行列車の停車駅では深夜に駅員を配置するなど負担も大きい。唯一残る定期運行の夜行列車は東京駅と高松駅、東京と島根県の出雲市駅をそれぞれ結ぶ「サンライズ瀬戸・出雲」のみとなっていた。

夜行列車が再び脚光を浴びているのはなぜか。 川島さんは「需要が昔と変わり、ビジネスよりも観光目的の利用が増えているためではないか」と指摘する。

「サンライズ瀬戸・出雲」の2人用個室(JR西日本提供)

「サンライズ」にはカーペットが敷かれている座席スペースがあるほか、鍵付きの個室も1編成に約120室ある。料金は東京から出雲市まで約1万6千円から約3万円など座席や個室のクラスに応じて変わるが、こうした宿泊しながら移動を楽しめる夜行列車そのものが非日常な体験として若者を中心に受けているという。

SNSに夜行列車動画

SNSの動画サイトにも夜行列車でインフルエンサーらが旅行する動画が数多く投稿されており、再生時間が1時間近くにもかかわらず、100万回再生されている動画も少なくない。

小学生のころに一度乗車したという神奈川県の大学生、神戸佑貴さん(20)は「数ある交通機関の中でも夜行列車は乗車する前のうきうき感がある。チケットは取りにくいが、旅の特別感を駆り立てる要素となっている」と話した。

筆者:東九龍(産経新聞)

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