強い冬型の気圧配置により、1月10日は本州の日本海側を中心に各地で大雪の恐れがある。被害を最小限に食い止め、命を守る備えを徹底したい。
Japan Heavy Snow9

福島県猪苗代町で、雪の中を下校する児童。強い冬型の気圧配置の影響で日本海側を中心に大雪となった=1月9日午後

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強い冬型の気圧配置により、1月10日は本州の日本海側を中心に各地で大雪の恐れがある。被害を最小限に食い止め、命を守る備えを徹底したい。

気象庁によると、日本付近の上空に強い寒気が流れ込み、大雪は北日本や東日本、西日本の日本海側を中心に警報級となる可能性がある。広範囲で厳重な警戒が必要になる。

懸念されるのは交通への影響だ。近年の大雪では通行車両や電車の立ち往生が相次いでいる。長時間にわたって閉じ込められ、体調悪化で救急搬送されるケースもあった。十分な対策と危機管理が求められる。

不要不急の外出を控えるのは当然だ。やむを得ず車を運転する場合は、冬用タイヤやチェーンの装着が欠かせない。万一に備えて食料や毛布なども用意しておきたい。

公共交通機関は運休などでまひする恐れがあり、通勤や通学の時間帯と重なると大きな混乱が生じる。気象情報や交通情報をこまめに確認し、無理をせず安全な行動を心掛けることだ。企業や学校は時間変更やテレワーク、リモートの活用などで柔軟に対応してほしい。

除雪され路肩に積み上げられた雪=1月8日、青森市

屋根の雪下ろし中の転落事故が相次ぎ、死者も出ている。命綱をつけヘルメットを着用し、明るい時間帯に声を掛け合って行うことなどが重要だ。

停電が起きる恐れもあるため、懐中電灯やカセット式ガスコンロなどの備えも確認しておくべきだろう。

雪に不慣れな人が多い都心部では、少しの積雪でも転倒の事故が起きやすい。滑りにくいゴム長靴などを履き、狭い歩幅でゆっくり歩くことが安全対策につながる。

屋根に雪が積もった金閣寺=1月10日午前、京都市北区(共同通信社ヘリから)

年末から記録的な大雪が続き、死者も出ている青森県は大雪で13年ぶりとなる災害救助法の適用を10市町村に行った。除雪などを支援するための財政措置で、他の自治体も必要に応じて、適用に踏み切るべきだ。地方の中山間地では農業被害なども予想される。国や自治体は支援策を検討する必要がある。

地震が多発し、水害が激甚化する日本では、全ての国民が防災と真剣に向き合わなくてはならない。大雪も決して例外ではない。行政をはじめ交通機関やインフラ企業、病院・学校などあらゆる関係者が緊密に連携し、減災に努めたい。

2025年1月10日付産経新聞【主張】を転載しています

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