山手線が環状運転100周年を迎え、過去に山手線を走行していた車両を模したラッピングを施した電車が走行している=東京都品川区
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JR山手線は環状運転を開始して100周年を迎えた。大正14(1925)年11月1日、東京―上野間が線路でつながり、円になっての運行が開始された。
山手線の原型は、明治18(1885)年に品川―赤羽間で開業した品川線で、その後、徐々に運行区間を拡大し、最後に東京―上野間の高架橋工事が完了して環状運転が開始された。

現在、最も多い区間では1日に内外回り計513本の電車が走り、平均して1日約97万人(2024年度現在)もの利用者数を誇る。文字通り、日本の首都を支える大動脈だ。
山手線で現在運用されている車両は、平成27年にデビューした11両編成のE235系電車。JR東日本によると、以前の車両と比べて故障する頻度は目に見えて少なくなっている。

その秘密は、平成30年に導入された「モニタリング保全」という取り組みにある。常時、走行中の車両から機器の状態を示すデータが車両基地に送られてくるため、故障を事前に察知して、適切な時期に部品交換などを行うことができているという。
東京総合車両センター技術科の坂田武治主務は、「リアルタイムのデータ取得により、故障の予兆やメンテナンスの判断を瞬時に行うことができるようになり、車両故障に起因する列車遅れの削減に貢献している」と胸を張る。

少子高齢化により労働人口の減少が社会課題となっているが、この取り組みはメンテナンスの省人化にも役立っている。
100年前も、今日も、様々な思いや技術を乗せて、山手線は東京を回り続けている。
筆者:桐原正道(産経新聞)
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