
山開きを迎えた富士山の山頂で、御来光に向かって万歳する登山客ら=7月1日午前4時38分
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富士山(3776メートル)の山梨県側の登山道「吉田ルート」が1日、山開きした。静岡県側の3登山道(須走、御殿場、富士宮の3ルート)は10日に山開きを迎える予定。訪日客の増加を背景に山頂付近の深刻な混雑やマナー違反が問題となる中、今シーズンからは全ルートを対象に1人1回の登山につき4千円の負担を求めるとともに、午後2時~翌午前3時の入山を規制。山梨、静岡両県で足並みがそろう。

「大人の修学旅行みたい」。旅行仲間5人で山頂を目指すという福岡県の30代女性は、5合目のゲート近くで笑顔をみせた。愛知学院大の男子バレーボール部員6人は「選手権で日本一を目指すので、まずは日本一の富士山制覇」と、元気よく出発していった。

山梨県は昨シーズン、登山者から2千円の通行料を徴収したが、今シーズンから4千円に引き上げた。5合目のゲートの閉鎖開始も昨シーズンの午後4時から2時間前倒しして午後2時とした。静岡県は、今シーズンから4千円の入山料を徴収し、午後2時~翌午前3時の入山規制を始める。

集めた通行料や入山料については、噴火に備えたシェルターの建設や、山頂付近で通行整理に当たるスタッフにかかる費用など、登山者の安全対策に充てるとしている。
富士山をめぐっては、軽装での登山や、山頂に向け一気に登り続ける「弾丸登山」などが問題となっている。山梨県は、登山者への安全指導などに当たる「富士山レンジャー」の権限を強化し、軽装登山者の入山を拒否できるようにする。静岡県も安全登山に関するルールやマナーなどの事前学習を義務付ける。
山梨、静岡両県とも開山期間は9月10日まで。

(産経新聞)
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