
記者会見に臨むレッドブルの角田裕毅=4月2日、東京都江東区(相川直輝撮影)
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4月6日に三重県の鈴鹿サーキットで決勝が行われる自動車F1シリーズの第3戦「日本グランプリ(GP)」に向けて、東京の公道を本物のF1マシンが駆け抜けるデモ走行イベント「Red Bull Showrun x Powered by Honda」が4月2日、東京・お台場で開催された。 所属するレーシングブルズから強豪レッドブルへの電撃昇格が発表された角田裕毅(24)もハンドルを握り、詰めかけたファンが見守る中、華麗な走りを披露した。
イベント後の記者会見では「『東京でF1に乗る』という子供のころ描いた夢物語が実現した」と喜びを語り、「こうしたイベントができ日本人として光栄」と胸の内を明かした。

角田は3月27日、レーシングブルズからレッドブルへの移籍が発表されたばかり。昇格決定後、初の公の場となった角田は「雨予報だったんですが、晴れてよかった」と安堵の表情。東京でF1マシンを運転することについて「子供のころに描いていた夢物語。その映画の世界を実際に実現できた」と感慨深げに語った。

また、レッドブル・レーシングと、エンジンを供給するホンダは今年が契約最終年であることにも触れ、「(ホンダとの)ラストイヤーにこうしたイベントができたのは日本人としてすごくうれしい。これからのモータースポーツに向けて良いスタートになったと思います」と未来に思いをはせた。
トップチームであるレッドブルからオファーを受けた時の心境については、「こういった機会が人生で巡ってくることはなかなかないと思ったので、即返事しました」と振り返った。
F1参戦5年目の角田は今季、レーシングブルズで開幕戦は12位、第2戦は16位だった。転機は先月27日。レッドブルが不振のリアム・ローソン(ニュージーランド)に替えて角田を起用すると発表した。ローソンは開幕戦のオーストラリアGPでリタイアするなど結果を残せず、わずか2戦での交代となった。
角田は6日の日本GP から、ドライバー部門で総合4連覇中のマックス・フェルスタッペン(オランダ)の同僚となる。
日本GPにはレッドブルとレーシングブルズをはじめ、メルセデス、フェラーリなど10チームが参戦する。2023年まで秋に開催されていたが、昨年から春に移行した。昨年は22万9000人が来場し、秋開催だった2023年の観客動員数を上回った。

筆者:松尾祐紀(産経新聞)
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