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The Prime Minister's Office in Chiyoda-ku, Tokyo. (Inside image ©Sankei by Yasuhiro Yajima)

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The Senkaku Islands: What's Coming?

(尖閣諸島:何がこれから起きるのか)

 

 

JAPAN Forward(JF)は6月、創設8年目に入った。わずか3人でスタートしたチームは、協力者も入れて20人ほどに成長した。日本を応援したいというビジョンを持った多言語・多国籍の編集チームが、他の英語メディアにはない唯一無二の発信に連日挑戦している。

 

読者は、成長市場であるアジア・インドに加え、北米の政策決定に影響力を持つ層だ。さらに、日本に関心がある18~44歳の若い次世代層が主要な読者であることは、未来への希望を抱かせている。

 

JFは、主要な時事問題から文化・スポーツまで、さまざまな日本の素顔を前向きに伝えている。ネットメディアの利点を生かし、記事だけでなく、動画やポッドキャスト、交流サイト(SNS)でも発信している。

 

では、どんな記事が読まれているのか。JFのトップページでは、直近、2週間に掲載された記事の中で最も読まれた記事のランキングをリアルタイムで見ることができる。たとえば、上の英文(日本語訳)は先週、ランキング最上位に入った記事の見出しである。元米海兵隊大佐、グラント・ニューシャム氏が寄稿したものだ。

 

要約すると、中国側は、沖縄県石垣市の尖閣諸島を中国領だとすでに決めつけており、時がくれば、あるいは日本側が隙を見せれば力の行使もためらわないだろうという内容だ。

 

中国海警船(右)にぴったりと張り付き、徹底的にガードする海上保安庁の巡視船=4月27日午前、沖縄県石垣市(大竹直樹撮影)

 

中国側は尖閣諸島周辺の日本領海侵犯や空域への侵入を日常的に繰り返しており、日本側がそうした挑発に対して一発でも発砲すれば、それを口実に武力行使に打って出て、全面戦争も辞さないと恫喝(どうかつ)し、尖閣を実効支配しようとする危険があると指摘している。

 

日本側はこの15年間、そうした中国側の挑発にはのらず、忍耐強く対応してきた。しかし、日本側は中国側の横暴に準備ができているのだろうか、と同氏は問いかける。

 

では、先述のような事態をどのように防ぐのか。同氏は、日本側と米海軍の艦船、航空機が共同で尖閣諸島周辺の事態に対処する体制を構築し、中国側に尖閣奪取がリスクの高い行動であることを理解させることが何より重要だと指摘。さらに、日米が共同で中国共産党幹部の在外資産の凍結を含む対中金融制裁に打って出なければ、中国は決して尖閣をあきらめないだろうと結論づけている。

 

文書署名式で握手する中国の習近平国家主席(右)とロシアのプーチン大統領=5月16日、北京(ロイター)

 

対中金融制裁の発動を求める声は、日本からも上がっている。JFは8日、中国によるロシア産原油の高値取引がロシアの対ウクライナ戦費を支えているとして対中制裁を求めた本紙特別記者、田村秀男氏の論考記事を掲載。同氏は「中国はロシア軍優勢のウクライナ戦局に乗じて、台湾、尖閣諸島から南シナ海にかけて攻勢を強めている。ウクライナ戦争はもはや対岸の火事どころではない。岸田文雄政権は、まなじりを決して米国の背を押すべきだ」と締めくくった。

 

対中金融制裁を発動すれば、日米の金融市場への悪影響は避けられない。中国による報復も予想される。それでも、強引に他国領を侵食しようとする中国に強い「ノー」のメッセージを発していく以外に、東アジアの戦争を食い止める方法はあるのか。岸田政権は真剣に考えるべきだ。

 

決断せずに先送りできた時代は終わり、世界は国益がぶつかり合う弱肉強食の時代に突入した。いま求められているのは、世界の未来を見通し、正しく導くリーダーである。岸田首相にその力があるのか、首相はアジア、そして世界の平和と安定のために行動するリーダーたることができるのか。いまほど試されているときはない。

 

筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)

 

 

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2024年7月15日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています

 

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