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祇園祭後祭の山鉾(やまほこ)巡行(24日)でしんがりを務める大船鉾(京都市下京区)が車輪4本を新調し、報道陣に公開した。新しい車輪は直径2・13メートル、重さは685キロあり、すべての山鉾の中で史上最大という。今年は色は塗らずに白木のままで巡行する。
車輪の外周の部材などはカシ材を、車軸を受ける中心部はケヤキ材を用い、社寺建築や屋台などを手掛ける八野大工(岐阜県高山市)が手がけた。
大船鉾は平成26年に約150年ぶりに巡行復帰を果たした。その際、昭和28年から菊水鉾が使用していた車輪を譲り受け、修理した上で使用してきたが傷みも目立っていた。
大船鉾保存会は将来の車輪の新調に備え、平成27年から木材の調達に着手。宮崎県や綾部市などで入手した木材を7年かけて乾燥させ、昨年夏から製作を進めていた。
法人や個人に寄付を募り、前の2輪は誠都運輸倉庫(久御山町)が全面寄付したという。同保存会の木村宣介理事長(54)は「想像以上に大きく、精緻な技術で立派なタマ(車輪)ができて喜んでいる。神事・祭事を未来永劫(えいごう)続けることが目標なので、次の世代に引き継げたと思う」と感慨深そうに話した。
筆者:田中幸美(産経新聞)