fbpx
Connect with us
Advertisement

自動車メーカー、次世代車シフト進む

Published

on

~~

 

脱炭素の波、看板車種もリストラ

 

販売不振などを背景に、車種を淘汰(とうた)する動きが自動車メーカーで広がっている。ホンダは、1990年代にミニバンブームを牽引(けんいん)した「オデッセイ」などの2021年内の生産終了を決断した。脱炭素に対応するため電気自動車(EV)など次世代車へのシフトも進む中、一世を風靡(ふうび)してきた看板車種が姿を消しつつある。

 

 

販売不振も背景に

 

ホンダが生産を終了するのは、オデッセイのほか、高級セダン「レジェンド」、中級セダン「クラリティ」。いずれも21年度中に閉鎖される狭山工場(埼玉県狭山市)で生産されている車種だ。

 

「台数ありきの戦略を立てる考えはない。それよりも良い商品を提供していく。ある程度目標は持つが、拡大戦略は採らない」

 

ホンダの三部敏宏社長は4月の就任会見で強調した。四輪事業は、伊東孝紳元社長が進めた拡大路線の失敗で利益率が低迷。21年3月期の営業利益率は二輪事業の12・6%に対し、わずか1%だった。トヨタ自動車の8・1%との差は歴然だ。

 

八郷隆弘前社長時代から四輪事業の立て直しのため、生産効率化や生産能力の適正化に着手。工場閉鎖に加え、不採算車種の生産終了にも踏み込んだ。

 

初代オデッセイは1994年10月に発売。6~7人乗りの広い車内とセダンを思わせる快適な走行性能が家族連れなどの人気を集め、95年に約12万5千台を販売した。

 

だが、競合他社のミニバンや軽自動車のワゴンの登場などで、販売は次第に低迷。日本自動車販売協会連合会によると、2020年の販売台数は9717台。登録車の中で47位だった。

 

レジェンドは、渋滞時の高速道路でシステムに操作を任せられる自動運転の「レベル3」の機能を搭載して注目されたが、リース販売のみで、生産は100台に限定されている。

 

クラリティのうち「クラリティ フューエルセル」はホンダ唯一の燃料電池車(FCV)。16年に発売されたが、水素ステーションの整備不足などが壁となり、世界累計販売は約1900台にとどまる。生産終了で、40年に全ての新車をEVとFCVにする目標から後退することになる。

 

ただ、ホンダは高度な自動運転機能を搭載した車種の展開を検討。米ゼネラル・モーターズ(GM)とも協力し、今後もFCVの研究開発は続けるという。

 

 

顧客の嗜好に変化も

 

マツダは重要市場と位置付ける米国でシビアな決断を下した。北米法人が5月、中型セダン「マツダ6」とスポーツ用多目的車(SUV)「CX-3」の22年モデルを米国で販売しないと発表した。

 

 

 

新型コロナウイルスの影響で需要が落ち込む中でも、米国市場の20年の販売台数は前年比0・2%増の27万9076台を記録。牽引役はSUVだ。半数以上を「CX-5」(14万6420台)が占め、新規投入の「CX-30」(3万8064台)も貢献した。

 

対して、マツダ6は前年比24・7%減の1万6204台と低迷。CX-3は8335台とほぼ半減し、他のSUVと明暗を分けた。北米法人は両車種を「性能、デザイン、質、安全でのブランドへの貢献を誇りに思う」と評価したものの、「顧客の嗜好(しこう)の変化」を理由に販売終了に踏み切る。

 

マツダは米国での販売台数を26年3月期までに45万台に増やす計画を掲げる。脱炭素を掲げるバイデン政権の誕生で、電動化への対応は急務だ。カリフォルニア州では21年秋に、SUV「MX-30」のEV版を投入する。

 

22年から25年にかけてEV3車種とハイブリッド車(HV)5車種、プラグインハイブリッド車(PHV)5車種を日米欧と中国、東南アジアに順次投入する計画を掲げる。30年時点で世界生産の全てを電動車とし、4分の1はEVにしたい考えだ。

 

 

見直される車の価値

 

調査会社の富士経済(東京)によると、35年の電動車の世界市場(乗用車・新車販売台数)はHVが20年比5・1倍の1359万台、PHVが11・9倍の1142万台になる見通し。EVは車両価格の低下や充電インフラの整備で22年にHVを超えて電動車の主役となり、35年には20年比11倍の2418万台に達すると予測される。

 

日本市場は少子高齢化などを背景に縮小傾向が続くが、コロナ禍で密を避けられる移動手段として乗用車の価値が見直されている。

 

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した21年上半期(1~6月)の車名別新車販売台数は、上位10車種中9車種が前年同期を上回るなどコロナ禍からの販売回復が続く。

 

トヨタは軽自動車並みに価格を抑え、安全性能を高めた小型登録車「ヤリス」でHV「プリウス」以来5年ぶりに首位を奪還した。一方、荷室が小さく屋外レジャーなどでの利便性が低いセダンには逆風が吹く。高度成長期に親しまれた「コロナ」「カリーナ」の後継の姉妹車種「プレミオ」「アリオン」の生産を21年3月に終えた。

 

時代の変化に応じ、看板車種も含めた聖域のない“リストラ”は今後も続くことになりそうだ。

 

筆者:宇野貴文(産経新聞動車業界担当)

 

 

2021年7月15日付産経新聞【経済#アナトミア(解剖学)】を転載しています
※「アナトミア」はラテン語で解剖学の意味。

 

 

この記事の英文記事を読む

 

 

Takafumi Uno is a staff writer of the Sankei Shimbun Economic news department.

Continue Reading
Click to comment

You must be logged in to post a comment Login

Leave a Reply