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【主張】日産・ルノー合意 対等な関係で協業深めよ

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Nissan and Renault
日産自動車とルノーのロゴマーク(共同)

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日産自動車と仏ルノーが、これまでの提携関係を見直し、日産に対するルノーの出資比率を引き下げることなどで基本合意した。

 

ルノーは現在、日産に対して43%出資しているが、日産によるルノーへの出資比率と同じ15%まで下げ、対等な関係で協業を目指す方針だ。

 

不平等な提携関係の見直しを歓迎したい。

 

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世界の自動車産業をめぐっては、急速な電気自動車(EV)シフトによる脱炭素化や自動運転技術の進化など、「100年に1度」とされる大変革時代に突入し、競争が激化している。

 

自動車各社とも生き残りをかけて合従連衡を活発化させている。日産・ルノー陣営も、今回の提携関係見直しを契機に次世代技術の開発を加速し、国際競争力の強化につなげてほしい。

 

Nissan and Renault

電気自動車(EV)事業の分社化計画などを発表するルノーのデメオ最高経営責任者=2022年11月8日、パリ(共同)

 

バブル経済崩壊で過剰債務などを抱えた日産は経営危機に陥り、1999年にルノーに出資を仰いだ。ルノーから日産に乗り込んだカルロス・ゴーン氏の大胆な改革で経営再建を果たした。ただ、日産が保有するルノー株にはフランス法による制限で議決権がなく、研究開発などをめぐっても不平等な関係にあった。

 

関係見直しの契機になったのが2018年のゴーン氏の逮捕だ。長年にわたる日産支配で公私混同が目立っていた。その後、仏政府主導でルノーは日産に経営統合も持ちかけた。日産は拒否したが、ルノーに対する不信感は高まっていた。経済合理性に基づかない、いびつな関係は日産株を保有する一般株主の利益にも相反する。提携の見直しは当然といえる。

 

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Nissan and Renault

日産自動車とルノーのロゴマーク(©産経)

 

問題は今後である。これまで両社は、車台の共通化や部品の共同調達などによるコスト低減に取り組んできた。こうした提携の強みは今後も磨いていく必要がある。真のパートナーとして信頼関係を再構築しなければならない。

 

今回の合意では、ルノーが設立するEV新会社に日産が出資することも盛り込んだ。両社の提携をEVなど、新技術にも広げる方針だ。EV市場では米テスラなど新興企業が存在感を見せている。新たな提携関係を通じ新技術の開発や蓄積にも努めてもらいたい。

 

自動運転では米グーグルなど異業種も開発を進めている。日仏連合は、異業種との提携も積極的に進めることが欠かせない。

 

 

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2023年2月1日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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