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【主張】安保理の分裂 北の挑発を決して許すな

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Security Council
国連安全保障理事会が開いた、北朝鮮によるICBM発射への対応を協議する緊急会合=2月20日、米ニューヨーク(共同)

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北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む複数の弾道ミサイル発射を受け、国連安全保障理事会が緊急会合を開いた。日米などは非難声明の採択を主張したが、中露の反対で安保理としての一致した対応は取れなかった。

 

中露両国は、米国と韓国が軍事訓練で緊張を高めたと北朝鮮を擁護した。さらに中国は「制裁や圧力強化は状況の緩和や解決につながらない」と訴えたが、耳を疑う発言だ。

 

北のミサイル発射は明確な安保理決議違反である。

 

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安保理は2006~17年まで対北朝鮮決議を全会一致で採択してきた。17年の決議は、北朝鮮が核実験やICBM発射を行えば、安保理はさらなる対北石油輸出の制限へ動くと定めている。中露の対応は過去の安保理決議、ひいては自国のこれまでの決定を否定する行為ではないか。

 

Security Council

国連安全保障理事会でのロシアのネベンジア国連大使(右)とフランスのドリビエール国連大使=1月17日(ロイター)

 

北朝鮮の挑発に安保理は結束して臨むのが当然だが、ウクライナ侵略直後、米国などが提出した対露非難決議案をロシアは拒否権で阻止した。露と米欧の対立は深まり安保理はウクライナ問題でも機能不全をさらけ出している。

 

そして台湾問題などで日米などと対立する中国がロシアに同調する。昨年5月の北のICBM発射をめぐる制裁強化決議案で、理事国15カ国中13カ国が賛成した中、中露両国は拒否権を行使した。

 

フランスのドリビエール国連大使が今回、「ミサイル発射のたびに安保理の権威が失墜している。(安保理の分裂は)北朝鮮の挑発行為に隠れみのを与えている」と指摘したように、北朝鮮はこの分裂を歓迎しているに違いない。新たな制裁が科されることは当面ないと踏み挑発を続けるだろう。

 

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Ukraine Security Council

2月18日、ドイツで開催中のミュンヘン安全保障会議で、演説する中国の王毅共産党政治局員(ロイター)

 

しかし、決議や声明という結果に結びつかなくても、日米欧は安保理の場も用いながら、国連総会と連動して、中露両国や北朝鮮の非を鳴らし続けなければならない。「国際の平和と安全の維持」に重い責任を持つ安保理の常任理事国である中露が、いかにその座にふさわしくないかを世界の目にさらし続ける必要がある。

 

北朝鮮問題に関して日本は、安保理非常任理事国として先進7カ国(G7)議長国として議論を主導する立場だ。米国も声明案の再提出を検討中という。中露の専横や北朝鮮の挑発を決して許さないとの決意を示していくべきだ。

 

 

2023年2月26日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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