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【主張】スーダンの衝突 邦人救出に全力を尽くせ

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Sudan
スーダンからの在留邦人の退避に向け、愛知県の小牧基地を出発する航空自衛隊のC130輸送機=4月21日午後(共同)

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正規軍と民兵組織の戦闘が激化するアフリカ北東部スーダンに在留する邦人を国外に退避させるため、政府が航空自衛隊の輸送機を派遣する。浜田靖一防衛相は20日、スーダンに近く、自衛隊の拠点があるジブチへの進出を命じた。

 

海外で生命の危険にさらされている自国民を守り抜くことは、国家としての責務である。スーダンにいる63人の救出に全力を挙げてもらいたい。

 

輸送機は今週末にも出発する。現地では戦闘激化により首都の空港の滑走路が使えない状態に陥っており、ドイツなどは自国民の避難計画中止を余儀なくされた。邦人の救出にも容易ならざる面があるだろう。

 

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国連や各国と緊密に連携し、情勢を見極めなくてはならない。可能ならば、邦人だけでなく外国人にも救出の手を差し伸べたい。

 

Sudan

戦闘が続くスーダンの首都ハルツームで、炎上する建物=4月20日(ゲッティ=共同)

 

政府が今回、自衛隊機派遣を発表したのは戦闘が本格化してから4日後だった。2021年にアフガニスタン情勢が悪化した際には、自衛隊機を現地に派遣する判断が欧米などよりも大幅に遅れた苦い経験がある。

 

岸田文雄政権がこの反省を踏まえて、輸送機の派遣を早期に決めたのは妥当だ。

 

スーダンは19年、バシル政権が軍事クーデターで崩壊した。新たな意思決定機関となった統治評議会の議長と副議長に軍と民兵組織「即応支援部隊(RSF)」のトップがそれぞれ就いたが、民政移管への協議で対立が深まった。

 

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Sudan

4月21日、スーダン首都ハルツームの戦闘で上がる煙(ゲッティ=共同)

 

現地はすでに無法地帯と化している。世界保健機関(WHO)の18日の発表によると、戦闘で270人が死亡し、2600人以上が負傷した。さらに戦闘に巻き込まれた国連職員が死亡、欧州連合(EU)の大使が暴行された。米外交官の車列も攻撃を受けた。

 

日米韓など14カ国とEUの在スーダン外交使節団は停戦とともに民間人と外交官、人道支援関係者の保護を求める共同声明を出している。国連やアフリカ連合は直ちに仲介活動に乗り出すべきだ。

 

スーダンは戦闘開始前から、長年の紛争やクーデターの影響で約1600万人に人道支援が必要とされていた。

 

これに追い打ちをかけたのが現下の情勢である。スーダンは国家の再建が危ぶまれている。両当事者は、即刻の停戦と対話での解決を図らなくてはならない。

 

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2023年4月21日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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