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【主張】アフリカとG7 首相は橋渡し役やり抜け

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ケニアのルトと大統領による出迎えを受ける岸田首相=5月3日(©首相官邸)

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岸田文雄首相がアフリカ4カ国を歴訪した。

 

エジプト、ガーナ、ケニア、モザンビークの各国首脳と会談し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を保つ重要性や、力による一方的な現状変更は認められないことを確認した。質の高いインフラ整備支援も打ち出した。

 

長年の支援で日本に寄せられた信頼をてこに、先進7カ国(G7)と、アフリカ諸国などグローバルサウス(GS)と呼ばれる新興国・途上国との連携の橋渡し役を果たそうとするもので、評価できる。

 

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Africa

ガーナのアクフォアド大統領と共同記者発表する岸田首相=5月1日(首相官邸)

 

ロシアは国際法を無視してウクライナを侵略している。中国をめぐっては、インフラ整備などを理由に途上国を借金漬けにして影響力を強める「債務の罠(わな)」が懸念されている。

 

日本を含むG7は中露両国に対抗している。GS諸国の積極的協力を得たいところだが期待通りにいっていない。GS諸国は、中露との経済的関係や欧州諸国の植民地だった歴史、多くの政権が権威主義的である点などから、必ずしもG7に与(くみ)しない。それどころか、中露寄りの姿勢をとることもある。

 

人口約14億人を抱えるアフリカは「最後の巨大市場」とも称され、ロシアは軍事力を、中国は経済力を背景に影響力増大へ動いている。

 

国連総会ではウクライナ侵略に関する対露非難決議にアフリカ54カ国中、約3割が反対または棄権した。首相が今回歴訪した中では、エジプトなど3カ国は賛成したがモザンビークは棄権した。国連人権理事会をめぐるロシアの資格停止決議では、4カ国とも棄権した。

 

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モザンビークとの首脳会談=5月4日(©首相官邸)

 

日本は、アフリカ諸国と歴史的なわだかまりがない。政府開発援助(ODA)を実施し、アフリカ開発会議(TICAD)を開催してきた。各国の実情に応じてきめ細かく支援してきた日本が、影響力を発揮できる余地はある。

 

日本は今年のG7議長国だ。来年いっぱい国連安全保障理事会の非常任理事国でもある。

 

岸田首相は、今回の歴訪を踏まえ、間近に迫るG7首脳会議(広島サミット)で、G7とGSとの連携の重要性を訴え、GS諸国が直面する個々の課題を解決していく協力枠組みを打ち出してもらいたい。

 

 

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2023年5月6日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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