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G7直前、日本に「軍事大国」のレッテル貼り 米誌タイムに外務省が異議

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岸田文雄首相にインタビューした米誌「タイム」が、「(岸田首相は)軍事強国・軍事大国を望んでいる」という論評を公開し、外務省が異議を伝える出来事があった。日本の抑止力強化に向けた防衛費増額は、軍事的覇権拡大を進める中国などを念頭に置いたもので、意図を正確に捉えていないというのだ。G7(先進7カ国)首脳会議を前に、議長国・日本にレッテルを貼ったとの見方もあるが、どう見るべきか。

岸田首相の写真を使用した5月10日午前の米誌タイム電子版(同誌提供・共同)

 

「岸田首相は、長年の平和主義を捨て、自国を真のミリタリー・パワー(軍事強国や軍事大国)にすることを望んでいる」

 

タイムが10日までに公開した電子版の見出しは、こう記されていた。12日発売の同誌に掲載される岸田首相のインタビューを紹介する論評「日本の選択」に添えられていた。

 

論評によると、岸田首相は「ハト派の仮面」を着けているとし、防衛費増額を「世界3位の経済大国に見合った軍事的影響力を持つ国にしようとしている」と分析、中国やロシア、北朝鮮と対決する姿勢を示しているなどと主張した。

 

また、広島出身の岸田首相が、幼少期、祖母から伝え聞いた原爆体験が「核兵器のない世界を追求する私の原動力になっている」などと語ったが、防衛費増額の姿勢と矛盾するとも指摘した。

 

これに対し、外務省は、見出しと(論評の)中身が異なるとして異議を伝えた。

 

同誌電子版の見出しは11日午後の時点で、「平和主義だった日本に、国際舞台でより積極的な役割を与えようとしている」に差し替わっている。

 

公開された論評と、外務省の対応をどう判断するか。

 

米国事情に詳しい福井県立大学の島田洋一名誉教授は「論評自体は極端な偏向はない印象だ。今回の『ミリタリー・パワー』は、国家を守る防衛力を強める『軍事強国』というニュアンスだ。中国やロシアなどを批判的に指す『軍事大国』とは違う。むしろ、憲法9条のしがらみから国防力をマイナスイメージで捉え、過度に騒ぎ立てる外務省の姿勢の方が『日本にうしろめたさがある』との誤解を招く。米メディアも首脳級インタビューは当事者が事前確認するが、タイトルは直前に決まりチェックしないケースが多い。日本政府はあたふたせず、堂々とした姿勢を保つことが重要だ」語った。

 

 

この記事の英文記事を読む

 

 

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