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【主張】憲法施行76年 国会は改正原案策定急げ 「9条」「緊急事態」が最優先だ

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constitutional reform
改憲を訴える集会に出席した与野党の代表者(右側4人)ら=5月3日午後、東京都千代田区(酒巻俊介撮影)

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ロシアによるウクライナ侵略が長期化する中で、現憲法は施行76年を迎えた。

 

中国の習近平国家主席は3期目に入り、独裁体制を確立した。習政権はロシア寄りの姿勢を隠していない。その傍ら、武力行使の選択肢を放棄せずに、台湾併吞(へいどん)の機会を窺(うかが)っている。北朝鮮は国連安全保障理事会の決議を無視して、弾道ミサイルなどの発射を繰り返し、核開発を進めている。

 

日本は、核武装した専制国家の中国、ロシア、北朝鮮に囲まれている。

 

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現憲法の前文には、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とある。

 

NATO

自衛隊員に訓示するNATOのストルテンベルグ事務総長=1月31日午前、航空自衛隊入間基地(松本学撮影)

 

日本を守る軍の保持を

 

これが完全な誤り、偽りであるのは明らかだ。憲法改正が急がれるゆえんである。

 

現憲法の最大の欠陥は、国防の規定がないことだ。

 

産経新聞は10年前の平成25年4月に、新憲法案「『国民の憲法』要綱」(以下、国民の憲法)を発表した。

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「国民の憲法」は、「国防」の章を設け、国の独立と安全を守り、国際平和に寄与するため、「軍を保持する」と明記した。軍に対する政治の優位を確保し、軍の規律を維持するため、軍事裁判所の設置も盛り込んだ。

 

さまざまな脅威から国民を守るには、外交と防衛の両輪を確かなものとしなければならない。世界の民主主義国と同様に、自衛隊を軍にすることで、個別的・集団的自衛権に基づいて抑止力と対処力を強化し、平和を守りたい。

 

それには「国民の憲法」にあるように、「戦力不保持」を定めた現憲法の第9条2項を削除することが欠かせない。

 

東日本大震災で住民を救助する自衛隊員

 

自民党や日本維新の会は憲法への自衛隊明記を唱えている。「国民の憲法」のような防衛を抜本改革する案ではないが、多くの憲法学者が自衛隊を「違憲」とする異常な状態を改めることにはなる。ゴールではないが、途中経過の措置として意義はある。

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緊急事態条項創設も喫緊の課題だ。南海トラフ巨大地震や首都直下地震などの大災害や大規模テロはいつ起きるかわからない。日本有事に直結する台湾有事も懸念されている。

 

大規模自然災害や有事に国政選挙が一時的に実施できないことはあり得る。衆院憲法審査会で、国会議員の任期延長の議論が行われているのは妥当だ。

 

ただし、それで十分とは言えない。「国民の憲法」は、緊急事態の際に、内閣は法律に代わる政令を定め、予算の変更などを認める緊急財政処分を行うことができるとした。想定外の危機から国民の命や憲法秩序自体を守るために、内閣に一時的に権限を集める仕組みは欠かせない。

 

constitutional reform

「国民の憲法」要綱発表シンポジウム=2013年4月26日、東京都千代田区のイイノホール

 

首相の行動が理解生む

 

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自民は緊急政令や緊急財政処分の規定が必要だとしており、維新や国民民主党も前向きだ。公明党は国会を「国の唯一の立法機関」と定める憲法第41条との整合性の観点から慎重姿勢だ。

 

だが、「国民の憲法」も自民なども、緊急事態の解除後、国会が緊急政令などを承認しなければ失効する条項を盛り込む考えだ。公明は翻意し、国民を守る憲法改正に賛成してもらいたい。立憲民主党は任期延長に関し、憲法第54条で定める「参院の緊急集会」で対応は可能だと主張している。

 

第54条は、衆院解散から40日以内の総選挙を経て、選挙日から30日以内の特別国会召集までの間に、内閣が緊急集会開催を求められる規定で、長期にわたる開会を想定していない。総選挙もできない事態はどうするのか。

 

constitutional reform

2014年5月1日、産経新聞が「国民の憲法」要綱を世界に発信するために発表した主要部分の英訳版

 

岸田文雄首相は産経新聞のインタビューで、令和6年9月までの党総裁任期中の改憲実現を改めて表明した。「できるだけ早く国民に選択してもらう機会を設けるために尽力しなければならない」とも語った。

 

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有言実行が求められる。衆参両院で自民、公明、維新、国民民主のいわゆる改憲勢力が、憲法改正の発議に必要な3分の2以上の議席を確保している。憲法改正にブレーキをかける立民や共産党などへの過剰な配慮をやめ、衆参の憲法審査会は改正原案策定を始めるべきである。

 

岸田首相は最大政党の総裁として、国民に改憲の必要性を積極的に説いてもらいたい。

 

 

2023年5月3日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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