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【主張】首相の解散見送り 脆弱な支持に危機感持て

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岸田文雄首相が、今国会中の衆院解散の見送りを表明した。立憲民主党が提出した内閣不信任決議案は否決された。

 

首相は表明に当たり、「先送りできない課題に答えを出していくのが、岸田政権の使命だ」と語った。

 

首相が会期末解散を見送ったのは、上昇基調にあった内閣支持率が下落に転じ、衆院選での勝利がおぼつかないと及び腰になったからだろう。

 

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岸田政権への支持は固いものではないということだ。これはひとえに首相の政権運営に理由がある。山積する課題に対し、正面から取り組む必要がある。

 

5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は成功裏に終わった。支持率が上がったのもつかの間、政務秘書官を辞職した長男による公邸内での不適切行為の発覚や、相次ぐマイナンバーカードのトラブルなどで、政権は痛手を負った。

 

トラブルが相次ぐマイナンバーカード(みほん)

 

少子化対策を実現するための「こども未来戦略方針」を巡っても、今後3年間で予算規模を年3・5兆円にすることを想定し、児童手当の拡充など数多くの政策をそろえたが、財源確保の詳細は年末に先送りした。これでは国民から共感を得られるはずがない。首相は無責任かつ不誠実な姿勢を改めるべきだ。

 

女性の安全・安心を損ないかねないLGBT法の成立を強行し、自民を支持してきた保守層が、不満を持つ事態になっている。選挙区調整を巡る公明との関係悪化も含め、解散の判断を慎重にさせた一因だ。

 

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端午の節句を前に、東京タワーに飾られたこいのぼり。タワーの高さにちなんだ333匹のこいのぼりが親子連れを楽しませていた=4月18日午後、東京都港区(共同)

 

これらを反省しなければ政権に勢いを取り戻すことは難しい。

 

今後は外交日程がめじろ押しだ。首相は7月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議への出席を調整しているほか、9月にはインドでの20カ国・地域首脳会議(G20サミット)がある。ロシア軍のウクライナからの撤退に向け、G7議長国としての役割を果たしていかねばならない。

 

北朝鮮・東倉里の西海衛星発射場で行われた軍事偵察衛星打ち上げの様子=5月31日(朝鮮通信=共同)

 

解散見送りを表明した日、北朝鮮は日本海に向けて2発の弾道ミサイルを発射し、いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾した。中国の覇権主義的動きを含め、安全保障環境が厳しさを増している現実に変わりはない。

 

岸田政権は緊張感を持って、日本の国と国民を守り抜いてもらわなければ困る。

 

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2023年6月17日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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