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安倍氏銃撃1年 菅義偉前首相インタビュー「戦後日本の骨格、造り替えた」

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安倍元首相の国葬で追悼の辞を述べる岸田首相=9月27日午後、東京都千代田区の日本武道館(代表撮影)

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安倍晋三元首相が銃撃され亡くなってから7月8日で1年となる。菅義偉前首相に今の思いを聞いた。

 

インタビューに応じる菅義偉前首相 =6月27日午後、国会内(矢島康弘撮影)

 

 

安倍晋三元首相が亡くなってから「もう1年がたつのか」という気持ちがすごく強いですね。国会内にある私の事務所の応接室に、第2次安倍政権時の衆院本会議で安倍さんと私が笑顔で話している写真を飾っていますが、事務所に来られるお客さんとよくその写真が話題になります。今もいろいろなときに安倍さんを思い浮かべます。外交、安全保障、少子化対策など安倍さんがいたらどうしただろうとよく考えます。

 

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衆院予算委員会で自らの携帯電話を楽しそうに安倍晋三首相に見せる菅義偉官房長官(右)=2018年31日午後、国会・衆院第1委員室(春名中撮影)

 

安倍さんは教育基本法を改正し、安保関連法や特定秘密保護法を成立させ、国家安全保障会議(NSC)を作った。ある意味、戦後日本の骨格を造り替えた人です。安倍さんに肯定的な人も否定的な人も含めて、安倍さんによってさまざまな政策論議が進んだ。令和元年10月に消費税率を8%から10%に引き上げた際に約2兆円を確保し、幼児教育・保育の無償化や高等教育の負担軽減を実施しました。高齢者中心だった社会保障を転換して、待機児童解消を中心に子供や若者の施策を大きく充実させました。

 

衆院本会議で内閣不信任案の投票を終え、笑顔で菅義偉官房長官(右)と話を交わす安倍晋三首相 =2015年9月18日、国会・衆院本会議場(斎藤良雄撮影)

 

連立を組む公明党との関係について、安倍さんは「政権の安定は政策の推進につながる」と強く思っていました。野党時代も自公でいっしょに行動してきたし、それが政治の安定につながってきた。

 

時に自公間で考えに隔たりがある政策もありました。消費税率10%への引き上げに伴う軽減税率の導入では、最後に安倍さんに判断してもらったのですが、私が「このままでは軽減税率で自公関係は壊れる可能性がありますよ」と伝えたら、安倍さんは「それは絶対に駄目だ。まとめよう」と言い、公明の意向を反映した形で決着した。これだけ物価が上がると、軽減税率を導入して対象品目を広くしてよかった。

 

逆に、自民の強い意向で成立させたのが安保関連法です。公明の理念を考えると難しい面もあると思いましたが、しっかりと必要性を説き、「戦争法案」「徴兵制復活」などと批判される中で理解してもらい、法案を国会で通すことができた。ロシアのウクライナ侵略を見ても成立させてよかった。自民単独では完遂できなかったでしょう。

 

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安倍晋三写真展を鑑賞する菅義偉前首相(右)=2022年11月19日午前、東京タワー(酒巻俊介撮影)

 

安倍さんの遺志を継ぎ、国の骨格となる政策をしっかりと前に進めていくことが大事です。方向性は安倍さんがすでに示してくれたわけですから。

 

私は安倍さんの後に首相になり、「安倍政治」を継承しながら飛躍・発展させる責任があると考え、安倍政権で打ち出しながら先送りされていた政策に決着をつけてきた。新型コロナウイルスと闘いながら、東京電力福島第1原子力発電所にたまり続けている処理水の海洋放出や憲法改正の手続きに関する改正国民投票法成立、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す「2050年カーボンニュートラル宣言」もそうです。今後もこうした政策を前に進めるのが私の役割だと思っています。

 

聞き手:大島悠亮、野村憲正(産経新聞)

 

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