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【主張】英国のTPP加盟 「自由」順守の結束拡大を

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TPP閣僚級会合で英国の加盟を承認し、記念撮影する後藤茂之TPP担当相(左から2人目)、ベーデノック英国際貿易相(同4人目)、ニュージーランドのヒプキンス首相(右端)ら=7月16日、ニュージーランド・オークランド(共同)

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環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加盟する日本などの11カ国が英国の新規加盟を正式に承認した。2018年末の協定発効後、初めてのメンバー拡大である。

 

TPPは、関税撤廃率の高さや、投資などの先進的ルールを特徴とするメガ協定だ。加盟国が欧州に広がったことは「自由」を基盤とする経済圏の発展に資する大きな意義がある。

 

ニュージーランド・オークランドで新規加盟の英国も参加して行われたTPP閣僚級会合=7月16日(共同)

 

英国の加盟を歓迎したい。同時にこれを、さらなる加盟国の拡大につなげる布石とすべきだ。

 

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欧州連合(EU)を離脱した英国にとって、通商上の新たな軸足をこの地域に置く戦略の一環である。日英間には経済連携協定(EPA)があるため日本の恩恵は限られるが、それだけでは西側先進国の加入を評価できない。

 

世界では保護主義傾向が強まっている。経済安全保障の視点を踏まえつつ自由貿易の恩恵を享受するには、公平で公正なルールで各国が結束する経済圏を活用する必要がある。英国加盟はその流れを確かにする最善の道筋である。

 

日本が英国とともに、TPPを離脱した米国に復帰を促す働きかけを強めるべきは当然だが、慎重姿勢を崩さない米国の早期復帰は現実的ではなく、まずは加盟国の拡大に全力で取り組みたい。

 

TPPには中国や台湾、エクアドル、ウクライナなど6カ国・地域が加盟申請中だ。例えばロシアの侵略を受けるウクライナが加われば、復興支援はもちろん、日本の穀物輸入先を多様化することなども期待できるのではないか。

 

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TPP閣僚級会合で英国の加盟が承認され、記念写真に納まる各国の閣僚ら=7月16日、ニュージーランド・オークランド(共同)

 

問題は中国だ。中国には国有企業の優遇や電子商取引でのデータ囲い込みなど、TPPルールに反する問題が多くある。最近でも情報機器の政府調達を国産品にするよう指示するなど、TPPルールなどどこ吹く風である。加盟を認めるべきでないのは明白だ。

 

加盟国には中国の経済力に期待して加入を求める声がある。中国に諸問題を是正させるためTPPに引き込むべきだとの意見もあろう。だが、ルール順守を約束して世界貿易機関(WTO)に加わりながら、いまだに不当な貿易慣行をやめないのが中国だ。TPPに例外を認めてはならない。

 

中国加盟には地政学的な問題もある。中国がTPPに加われば台湾加盟の道は閉ざされよう。日本は英国などとともに中国加盟に反対する姿勢を貫くべきである。

 

 

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2023年7月21日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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