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【主張】東京圏 人口減下の成長モデルを

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公園で遊ぶ子供ら。15歳未満の人口は減少の一途をたどっている =5月4日午後、東京都江戸川区(岩崎叶汰撮影)

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日本人の人口は今年1月1日時点で1億2242万人で、14年連続減少したことが、総務省の住民基本台帳に基づく人口動態調査で分かった。

 

対前年比の減少数は調査開始以降最大の80万人で、初めて47都道府県すべてで減少した。

 

岸田文雄政権は、事態をより深刻に受け止め、「こども未来戦略方針」に盛り込んだ少子化対策を、早期かつ確実に実行してもらいたい。

 

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戦略方針には、児童手当や育児休業給付の拡充、高等教育費の負担軽減、保育の充実など、幅広く対策が列挙されている。

 

制度設計を急ぐべきなのはもちろん、取り組み内容の国民への周知も徹底すべきである。あまり活用されなかったといったことが、あってはならない。

 

調査ではこのほか、前年に減少に転じた東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)の日本人が、今年も減ったことが判明した。少子高齢化の進展により、全国的に出生者数は減少し、死亡者数は増加する傾向にある。両者の数字を差し引いた「自然減」が、人口の流入による「社会増」を上回る勢いで進んでいることが、主な要因だ。東京圏にも、いよいよ人口減の波が押し寄せつつある。

 

全国知事会では各知事から少子化対策で意見が相次いだ=7月25日、山梨県北杜市大泉町(平尾孝撮影)

 

人口減が本格化しても、東京圏には日本経済の牽引(けんいん)役が求められる。活力を維持する新たな成長モデルの構築は急務だ。

 

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高齢者割合の増加に耐え得る都市に造り替え、人手不足は高齢者就労の促進で補うことが求められる。デジタル技術や人工知能(AI)の活用などで生産性を向上させることも必要だろう。

 

人口の多い団塊の世代には、就職などの際、大都市圏に移り住んだ人が多い。移住先で生まれ育った団塊ジュニアも、いずれは高齢者になる。このため、医療・介護の需要が膨張し続けることが予想される。地域医療、施設介護、在宅介護などの充実が急がれる。

 

一方、東京圏で人口減が起きているからといって、一極集中が是正されたわけではないことに留意したい。1都3県はいずれも社会増が続いている。災害リスク軽減などの観点から、一極集中は緩和されるべきだ。

 

「デジタル田園都市国家構想」を掲げる岸田首相は「転職なき移住」を進める考えだが、容易ではなかろう。官民挙げての取り組みが欠かせない。

 

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2023年7月26日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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