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「泳ぐ宝石」錦鯉、世界のファンを魅了

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品評会には様々な種類の錦鯉が集まった(海藤秀満撮影)

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「泳ぐ宝石」と言われ、一匹が1億円以上の価値の個体もある錦鯉。その国内最大の品評会が東京で開催された。約2000匹の錦鯉が世界から集い、「雅」を競った。大会総合優勝を獲得した錦鯉のオーナーはロシア人だった。

 

 

平和の象徴とされる魚

 

日本の「国魚」でもある錦鯉は、魚同士で争わないことから、「平和の象徴」として世界中にファンがいる人気の観賞魚だ。そのルーツは、江戸時代中期に新潟県中越地方で、食用として飼育されていた鯉から突然変異で色がついた鯉が生まれたことから始まった。明治時代に入ると赤と白の錦鯉が誕生し、今では100品種を超えると言われる。大きいものでは体長が1mを超え、体重も70kg以上になるものもある。飼育の条件にもよるが、4年で体長が80cmくらいに成長する。

 

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錦鯉は成長過程で色や模様が変化する(海藤秀満撮影)

 

新潟県の輸出の主力に

 

新潟県ではすでに、錦鯉が米の輸出額を抜いて県の主力輸出品になっている。2022年の新潟県の農林水産物の輸出額49億円のうち、錦鯉は65.9%を占め、米は30.1%で両者で96%を占める。錦鯉の輸出先はアジアが約6割となっている。

 

日本全国の錦鯉の輸出先で約2割を占める最大の輸出先が中国だが、今、輸出は止まっているのだ。理由は、日本からの輸出のライセンス発行を中国が2年前に止めていて、2023年10月末で輸出が失効し、11月から中国への輸出が途絶えている。水産庁の関係者に確認したところ、1月28日現在も輸出はストップしたままだという。ただ、品評会に来場した中国の錦鯉愛好家に尋ねたところ、「錦鯉の飼育には時間がかかるので、当面、中国国内に錦鯉が輸入されないとしても、大きな問題はないだろう。日本産の錦鯉は体型、色、模様がいいので、オーナーになって、鯉は日本に預けて飼育してもらった方がいい」と答えてくれた。

 

「大会総合優勝」を獲得した錦鯉を眺めるロシア人オーナー(左から2人目)

 

また、今年元旦に起こった能登半島地震が新潟県の養鯉場に被害を及ぼしたか、全日本錦鯉振興会に聞いたところ「能登半島地震の新潟錦鯉への被害はない」と答えた。

 

2004年に発生した新潟県中越大震災では錦鯉の養殖施設が被災し、多くの錦鯉が命を落とした悲劇があった。

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多くの外国人がオーナー

 

2024年の品評会は東京・大田区の流通センターで1月27日と28日の2日間開催され、約2000匹の錦鯉が集まった。その中で「大会総合優勝」を獲得した錦鯉のオーナーはロシア人だった。7年前から錦鯉のオーナーになり、日本に鯉を預けている。錦鯉は紅白模様が一番難しく、レベルが高い品種だ。

 

「大会総合優勝」を受賞したロシア人オーナー(左から2人目)

 

会場には世界各国からの来場者が集まり、中国、香港、タイ、インドネシア、フィリピン、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ドイツ、ベルギー、ロシア、英国、米国からの参加者に出会った。みんな個性的な「KOI」ファッションに身を包み、錦鯉への愛をアピールしていた。

 

錦鯉を愛するファンの装い

 

ベルギーから来日したファンは、「東京、長岡(新潟)、姫路(兵庫)に錦鯉の品評会などを見に年に3回ほど来日するよ。毎年錦鯉に会えるのが楽しみなんだ」と笑みを見せた。

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日本発の「KOI」は世界の人々に幸せをもたらす大使なのだ。

 

筆者:海藤秀満(JAPAN Forwardマネージャー)

 

この記事の英文記事を読む

 

 

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