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101歳SLが引退 沿線や駅に多くのファン

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熊本市内を走行する、営業運転の最終日を迎えたJR九州の観光列車「SL人吉」=3月23日午後(共同)

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遠くから野太い汽笛が聞こえると、白や黒の煙を吐きながら真っ黒な蒸気機関車がやってきた。まるで生き物のような力強い走り。御年101歳のSLが3月23日に引退した。

 

観光列車「SL人吉」の運行終了式典を終え、蒸気機関車「8620形58654号機」の前で写真に納まる機関士(右端)ら=3月24日午前、熊本県八代市のJR八代駅(共同)

 

JR九州の観光列車「SL人吉」。国内で営業運転を行う蒸気機関車としては最も古かった。

 

8620形蒸気機関車、通称「ハチロク」は大正3年(1914年)から製造が開始され、「58654号機」は大正11年の製造。九州各地で活躍し昭和50年(1975年)でいったん引退した。その後、熊本県人吉市で保存されていたが、昭和63年に「SLあそBOY」として復活、平成21年(2009年)からは「SL人吉」として肥薩線で運行された。令和2年(2020年)の熊本豪雨により、同線の八代駅(熊本県)から吉松駅(鹿児島)間は線路や橋梁の流失など甚大な被害を受け運休となり、令和3年からは鹿児島線の熊本駅から鳥栖駅(佐賀県)に運転区間が変更となった。

 

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玉名駅を出発するSL人吉=3月3日午前、熊本県玉名市(鴨志田拓海撮影)

 

引退発表後、沿線や駅では多くの鉄道ファンなどが集まった。熊本市北区に「SL人吉ありがとう さようなら」と書かれた巨大な看板を制作した建設会社社長の太田行雄さん(71)は「昔からずっと見てきた車両なので、最後は自分なりの見送りをしたい」と話した。運転終了後の同機の今後について、JR九州の広報担当者は「現段階では未定」とした。

 

営業運転の最終日を迎え、多くの人に見送られながらJR熊本駅を出発する「SL人吉」=3月23日午前、熊本市(共同)

 

客車をけん引し、目の前をさっそうと走り抜けるハチロク。黒光りする車体が「まだまだだ、若いものには負けないぞ!」と訴えているようだった。

 

営業運転の最終日を迎えたJR九州の観光列車「SL人吉」。沿線には「SL人吉ありがとう」などと記された看板も設置され、多くの人が国産最古の蒸気機関車の雄姿を見守った=3月23日午後、熊本市(共同)

 

筆者:鴨志田拓海(産経新聞写真報道局)

 

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