fbpx
Connect with us
Advertisement

【主張】ゼレンスキー演説 国会の「熱意」がみえない

Published

on

3月16日、ワシントンで、ウクライナのゼレンスキー大統領のビデオ演説を前に
立ち上がって拍手する米連邦議会の議員ら(AP)

~~

 

ウクライナの惨状が深刻だ。老人や子供ら数百人が避難していたとされる南東部マリウポリの劇場は、ロシア軍に空爆されてがれきの山と化し、懸命の救出作業も難航している。

 

東部ハリコフ州メレファでは学校や文化施設が砲撃の標的となった。戦場と化した各地から送られてくる映像に、胸が痛い。子供の涙、母親の憔悴(しょうすい)、老女の叫び。全ての理不尽が許し難い。

 

3月19日、ロシア軍が包囲するウクライナ東部マリウポリで戦闘車両を走行させる親露派武装勢力(ロイター)

 

ウクライナのゼレンスキー大統領は米英独など欧米諸国の議会でオンライン演説し、窮状と支援を訴えている。日本の国会にも打診があり、ようやく18日になって、3連休明けの23日に実施する見込みとなった。

Advertisement

 

もっとも当初は、国会でのオンライン演説には前例がない、議場にはモニターの大型スクリーンがないなど、後ろ向きの声ばかりが聞こえていた。

 

立憲民主党の泉健太代表はツイッターに「私は日本の国民と国益を守りたい。だから国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ」「演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき。それが当然だ」と投稿した。

 

衆参両院はすでにウクライナを侵略するロシアについて「最も強い言葉で非難する」と決議しており、立民も賛同している。泉代表の言辞は論外である。

 

17日にはウクライナのコルスンスキー駐日大使が衆参両院議長に対し、ゼレンスキー大統領の国会オンライン演説を正式に要請した。両院議長は要請を「重く受け止める」とし、「各会派と調整したい」と述べた。

Advertisement

 

岸田文雄首相は同日の参院予算委員会で「技術的な問題はあると承知している」とした上で「国会で議論し、前向きに対応していただければと政府の立場としても考える」と述べた。

 

首相や両院議長の言葉からは、「熱」を感じられなかった。

 

自民党の高木毅、立民の馬淵澄夫両国対委員長が18日に会談し、演説は「なるべく早くやるということが肝要だ」との意見で一致したのだという。

 

だが戦場には、週末も祝日もない。その間にも、子供を含む無辜(むこ)の人の命が失われていく。政治家はもっと、熱意を持って行動してほしい。戦争の現実を我(わ)がことと捉え、日本が何をなすべきか、真剣に議論してもらいたい。

Advertisement

 

 

2022年3月19日付産経新聞【主張】を転載しています

 

この記事の英文記事を読む

 

 

Advertisement
Continue Reading
Click to comment

You must be logged in to post a comment Login

Leave a Reply

Our Partners