井上尚弥、4団体統一王者に意欲、「アメリカでの成功の夢」語る

 

 

プロボクシングWBA、ⅠBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(26)が1月、横浜市内の大橋ジムでジャパンフォーワードの独占取材に応じ、WBC、WBOを合わせた主要4団体の王座統一への意欲を語った。さらに、ラスベガスで4月に行われる次戦のカシメロ戦を、「アメリカで成功する夢」の第一歩だとして、練習の秘訣などを熱く語った。インタビューの詳細は以下の通り。

 

 

昨年を総括すると?

 

プロデビューしてから一番濃い一年になったと思います。試合の結果や私生活でも第2子が生まれて一番充実した年でした。

ドネア戦で眼窩底などを骨折したが、回復状況は?

 

今はもう完治しています。

2020年の対戦計画は?

 

流れ、タイミングがあるのでやれる相手と戦うことになると思います。今は階級を上げることは考えていないです。引き続きバンタム級で戦います。

 

4月25日にラスベガスでカシメロ戦が行われるが、対策は?

 

対策はまだ全然していないです。

 

アメリカと日本では試合に向けた準備は異なる?

 

日本での試合と同じです。約1カ月前に現地入りなので、向こうでの環境に慣れるという点でも1カ月あれば大丈夫です。

 

海外での試合は、日本と違いますか?

 

時差もありますし、気候も違います。特にラスベガスは乾燥しているので、減量の時にどれだけの状態を作れるのかということはあります。ただ、海外の方が、雑音がないので、より集中できる。それはグラスゴーの試合で感じました。

 

アメリカで井上尚弥選手ご自身のアピール・ポイントは?

 

アメリカのファンは、ボクシングを良く知っている方が大半だと思います。軽量級のスピード感、駆け引きの中で、アメリカのお客さんが喜ぶような倒せるフィニッシュにまでつながればいいなと思っています。

 

試合はKOにこだわっていきたい?

 

流れでは狙っていくポイントではあります。

 

海外のリングで、日本人としてプライドや夢を意識したり、また逆にプレッシャーに感じたりしますか?

 

今は、もうすべてを背負っているということは感じています。やっぱりここでこういう試合を突破出来なければこの先も難しいと思います。ラスベガスでもいつものパフォーマンスを出すことが出来たらおのずと、日本でのボクシング人気も上がってくると思いますので。ボクシングは稼げる額も、天井がないので、夢はあると思います。

 

日本の代表として、アメリカのリングを開拓しにいくという感じ?

 

アメリカで成功するのが一つの夢でもあり、目標でもあります。

 

派手な生活をしているイメージはないが、経済的な成功をアピールするつもりはない?

 

今も、ファイトマネーの金額で戦っているわけではないです。他に、強い選手がいる。強いチャンピオンがいるっていうのが気に食わないだけです。だから自分は戦う前に、ファイトマネーは聞かないですね。

 

日本でのボクシングの地位を変えたいとの想いはある?

 

強い相手と戦いたい、団体を統一したい、って自分が発信することで他の選手の気持ちも変わってくると思います。他の選手はプレッシャーに感じるかもしれませんが、それが本当のボクシングだという想いがあります。自分が発言をすることで、他の選手もどんどん強い選手と戦う、他のベルトを統一していく傾向になっています。そうするとボクシングの人気も少しずつ上がっていくのかなと思います。

 

今後も強い相手と戦う?

 

ここまできたら、もう強い相手しかないです。団体によっては、指名試合をしないといけないかもしれないです。

 

指名挑戦者との試合も同時にこなしていくのですね。

 

4団体を統一するには、指名試合も同時にこなしながらやっていかないといけないと思っています。

 

バンタム級での主要4団体統一をしてみたい?

 

してみたいです。

 

井上選手のような強いチャンピオンになるには?

 

特に能力があるわけではないです。一瞬のひらめきであったり、日々考えて練習したりというところだと思います。天才的な動きをしているわけではないです。毎日基礎をやり続けた結果、今のスタイルができたと思っています。

 

基礎の積み重ねが重要ということ?

 

1日2時間のジムワークを、手を抜いている人と、みっちり詰めた人の1年間っていうのはものすごい差になります。それはボクシングに限らず何にでも当てはまることだと思います。そこにはこだわって練習しています。

 

毎日練習するモチベーションを維持できる秘訣は?

 

ジムに入ったら、一人でなくて、何人かを思い浮かべて、常に戦うであろう選手を想定して練習しています。そうすることで、気持ちの入り方が少しずつ変わってきます。

 

今は、カシメロをイメージしつつ?

 

そうですね。なので、裏では(練習も)何もやっていない。ゲームやっています(笑)。人がオフの時は、(自分も)オフ。(フロイド・)メイウェザーは、「人が寝ている間、俺は練習している」って言っている。僕は、人が寝ている時は、寝ています(笑)。

 

1日のタイムスケジュールは?

 

午前中、1時間半くらい練習して、夕方大橋ジムで2,3時間練習して、それ以外は、フリーです。と、言っても、裏でどうせ努力していると思っていますよね?(笑)ほんとにやってないですよ!

 

それって、集中力がすごいってこと?

 

まあ、集中力だと思います。

 

その集中力ってもともとあったのですか。

 

とにかく、父(井上真吾トレーナー)に言われています。集中しないと怒られる。自然と集中力が身についているのかなと思います。

 

強いパンチ力を鍛える練習法、秘訣はある?

 

自分の得意なスタイル、打ち方、腰の入れ方、肩の入れ方、そこがしっかり一致していないと、強いパンチは打てないですね。強いパンチを打つために、サンドバックをしっかり打ち込む。そうすると、自然についてきます。

 

他の選手の試合は見る?

 

普段は見ないですね。

 

ロマチェンコ選手の試合とか、見ない?

 

ロマチェンコ選手は見ますよ。自分が、この選手のこういうところを取り入れたいなと思ったら見ます。

 

練習の動画とかも?

 

練習動画も見ます。

 

変わった練習をしているから?

 

いや、そうじゃないです。練習が基礎なのです。基本しかやらないのです。その基本の、ステップワークだったり、腰の入れ方だったりを見ています。

 

自分に取り入れるものがある場合は、見る?

 

はい。取り入れるものがないものは、興味がないです。

 

今、一番勉強になると思う選手は?

 

ロマチェンコ選手、オスカル・バルデス選手。ちょっと前だとパッキャオ選手とメイウェザー選手の練習風景かな。

 

私生活では、お子さんに対しても、イクメンだそうですが。

 

イクメンかわからないが、お風呂は一緒に入りますし、おむつも替えます。イクメン、イクメンって言われるが、当たり前のこと。30年前と今は違うと思います。親の世代の話を聞くと、みんなやっていない、もう、仕事だけみたいに言う。自分は、家にいることが多いので、(奥さんが)大変なのはわかるので、自然と手伝ってしまいますね。

 

聞き手:佐藤新

 

 

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Shin Sato

Author:

Shin Sato is a staff consultant of The Sankei Shimbun Sales Department and a writer for JAPAN Forward.

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