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【主張】中国の駐仏大使 主権否定の暴言許されぬ

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Lu Shaye Chinese flag
中国の国旗(ウィキメディアより)

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中国の盧沙野駐フランス大使が仏テレビ番組で、ウクライナやバルト三国など旧ソ連諸国の主権に疑義を呈した。

 

ソ連崩壊に伴って確定した国際秩序を否定する暴言で、到底容認できない。中国外務省報道官は記者会見で、「中国は旧ソ連諸国の主権と国家としての地位を尊重している」と釈明し、盧氏の発言の一部を事実上修正した。

 

ならば、中国政府は大使更迭など厳しい処分を盧氏に科すべきである。

 

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盧氏は仏テレビ番組で、ロシアが2014年に併合したウクライナのクリミア半島について尋ねられ、「問題をどうとらえるかだ。クリミアは当初はロシア領だった。ソ連時代にウクライナに渡された」と述べ、帰属先をはっきりさせなかった。さらに「旧ソ連諸国は国際法上、有効な地位を持っていない。主権国家の地位を具体化する国際合意がないからだ」と述べた。

 

中国の盧沙野・駐フランス大使(CNS=共同)

 

ウクライナの駐仏大使は「曖昧さの余地はない、クリミアはウクライナ領だ」と反論した。ラトビア外相が「(発言は)全く受け入れられない」と表明するなどバルト三国も反発した。仏外務省報道官も「驚愕(きょうがく)した。ウクライナは中国をはじめ国際社会が1991年に承認した」と指摘した。

 

ソ連は解体後、ロシアを含む15の独立主権国家に分かれ、いずれも国連に加盟した。中露両国は全ての旧ソ連諸国と国交をもち、条約を結んできた。

 

クリミア半島をめぐっては、独立したウクライナの領土だと国際的に認められてきた。それは中露両国も含めて、である。

 

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中国外務省報道官は、「中国は各国の独立と領土の一体性を尊重している」と述べ、クリミア半島の帰属先をウクライナだと明言しなかった。

 

プーチン露大統領は「ウクライナの主権はロシアあってのことだ」という、現代国際秩序に真っ向から反する妄執に取り憑(つ)かれ、ウクライナ侵略を始めた。クリミア併合はその先駆けである。

 

中国は、ロシアが侵略者で、ウクライナが領土を強奪された被害者として抗戦している事実を認めるべきだ。それにはクリミア半島はウクライナ領だと明確に表明しなければならない。それすらできないようでは、中国による和平仲介の申し出など信用できない。

 

 

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2023年4月25日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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