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柔道・井上康生氏「スポーツ支援の“恩返し”の方法を模索」

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ボランティア活動で訪れた珠洲市の避難所で、炊き出しのお手伝いをしたり、住民の皆さんと交流(@NPO JUDOs)

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みなさん、こんにちは。日本は初夏を迎え、過ごしやすい日が続いています。ただ、例年に比べて気温の高い日が続いており、気候変動を間近に感じる日々でもあります。

 

さて、ご存じの方も多いと思いますが、日本では今年1月1日に、石川県能登半島沖で最大震度7、マグニチュード7.6を記録する大規模な地震が発生しました。この発災から3カ月が過ぎた4月17日、私はスポーツによってつながっている仲間とともに甚大な被害のあった珠洲市や穴水町などを訪れ、ボランティア活動を通じて地元のみなさんと交流してきました。

 

ボランティア活動で訪れた珠洲市の避難所で、炊き出しのお手伝いをしたり、住民の皆さんと交流(@NPO JUDOs)

 

一緒に訪問したのは、元ラグビー日本代表の廣瀬俊朗さんと野澤武史さん、アテネ、北京五輪の柔道金メダリストでともにパリ五輪日本代表選手団副団長を務める谷本歩実さんです。今回の訪問は能登半島地震の被災地支援活動を行う団体「NOTOTO」、経済同友会、ボランティア団体「チームこのへん」、そして日本オリンピック委員会の協力により、実現しました。

 

訪問した日はパリ五輪100日前でもあったのですが、避難所での炊き出しや倒壊した家屋からの家財道具の運び出しなどのほか、穴水町の穴水中でラグビー体験交流をしたり、羽咋市柔道館で柔道交流を行ったりして、子どもたちや地元のみなさんと楽しいひとときを過ごすことができました。

 

災害復旧活動にあたっている自衛隊の皆さんと(JUDOs)

 

被災地は、未だ倒壊した家屋の片付けや建物の撤去、インフラ復旧が進まず、厳しい環境に置かれていました。しかしながら、そうしたなかでも復興へ向かって一歩ずつ進んでいこう前を向いている方たちに会うことができました。

 

私たちは選手時代、多くの方たちに応援していただき、力をいただいていました。その恩返しという意味でも、私たちスポーツ界ができることを探しながら、支援活動を続けていきたいと思っています。スポーツには人と人とを結ぶ力があります。今回も、ラグビーや柔道交流をしましたが、参加者の皆さんとは初対面であっても、一瞬で打ち解けることができ、楽しい時間を過ごすことができました。これこそスポーツの力なのだと実感した1日でもありました。

 

 

フランスからの指導者講習で技術講習

 

4月15日から20日まで、私が勤務する東海大でフランス柔道連盟主催による指導者研修が行われました。私も技術講習を担当し、内股をはじめとする技をいくつか紹介させていただきました。

 

東海大で行われたフランス柔道連盟主催の指導者研修。技術講習を行い、指導者の皆さんと交流することができました(JUDOs)

 

フランスではスポーツ指導者資格は国家資格であり、柔道指導者資格ももちろん国家資格です。ですから、指導者の多くが柔道指導で生計を立てているそうです。柔道普及や発展の観点から、指導者資格が国家資格であることは非常に魅力的であり、柔道指導に専念できる環境は素晴らしいと感じます。参加者の皆さんは、私の技術解説に真剣に耳を傾け、ひとつでも多くのことを学んで帰ろうという意気込みにあふれていましたし、心から柔道を愛していることが伝わってきました。

 

東海大で行われたフランス柔道連盟主催の指導者研修。技術講習を行い、指導者の皆さんと交流することができました(JUDOs)

 

全日程を終えたあと、皆さんからは「柔道の技術だけでなく、柔道の心や精神まで学ぶことができた」との感想をいただいたということです。

 

こうした交流は柔道の発展につながっていくだけでなく、日本のプレゼンスを高めていける機会であるとも思っています。今後も柔道を通じて世界中の皆さんと交流し、学びあっていきたいと思います。

 

筆者:井上康生

 

judo Kosei Inoue

井上康生 理事長, 認定NPO法人 JUDOs

judo Kosei Inoue

Kosei Inoue, President, Certified NPO JUDOs

 

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