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Minister of Internal Affairs and Communications Junji Suzuki, who oversees the telecommunications law, responding to an interview on September 20 in Tokyo (© Sankei by Kazuya Nemoto)

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NTT法の見直し論議が本格化している。政府と自民党がそれぞれ検討を進めており、自民党は年内にも結論をまとめる。

 

焦点はNTTの競争力強化だ。通信分野でも国際競争が激化している。NTTに対する規制を緩和する方向で議論が進んでいる。実効性のある規制改革が不可欠だ。

 

昭和60年の旧電電公社の民営化に合わせて制定されたNTT法には、時代遅れの内容も多い。NTTの着実な競争力強化につなげる必要がある。

 

一方でKDDIや楽天などのライバル企業は、NTTの肥大化による市場独占を懸念している。通信料金を引き下げるためにも、公正な競争環境の確保も忘れてはならない。

 

自民党の検討チームはNTT法の廃止を含め、抜本的な見直しを打ち出す方針だ。現行のNTT法では同社株の3分の1以上を国が保有するように義務付けており、この規定を廃止することでNTT株の売却益を防衛財源などに充てる構えだ。

 

 

ただ、国の株式保有規定を廃止すれば、外資による買収を招くリスクもある。安易なNTT株の売却は避けるべきだ。外為法に基づく規制を強化する案も浮上しているが、経済安全保障上の懸念がある以上、慎重に検討しなければならない。

 

総務省の情報通信審議会も見直し論議を始めた。NTT法では研究成果の公開や固定電話の全国一律提供義務、公正競争の確保なども義務付けている。

 

同社は次世代の通信基盤「アイオン」の研究を進めており、これを公開すれば、国際競争で不利になる恐れがある。重要技術を国内で確保する経済安保の観点からも、研究成果の公開は早急に見直す必要がある。

 

また、既に通信の主流は固定電話から携帯電話に移行しており、固定電話の一律提供義務は撤廃すべきだろう。時代に合わせた改革が求められる。

 

公正な競争環境を巡っては、審議会で意見を述べた高橋誠KDDI社長らが「NTT法を廃止すれば、NTTを縛る法律がなくなる」と懸念を示した。NTTが持つ光ファイバー網などのインフラを分離し、各社が使えるように求める案も出た。

 

国内通信市場の公正な競争を担保しつつ、NTTの国際競争力をいかに高めるか。バランスの取れた議論が問われる。

 

 

2023年9月19日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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