FILE PHOTO: Beijing marks 100 days to the opening of Beijing 2022 Winter Olympics

FILE PHOTO: People walk past a banner with a sign of Beijing 2022 Winter Olympic Games, 100 days ahead of the opening of the event, in Beijing, China October 27, 2021. REUTERS/Tingshu Wang/File Photo

~~

 

Advertisement

The COVID-19 Olympics 2.0: How the Beijing Games Compare to the Tokyo Games

 

(コロナ禍で2度目の五輪:東京大会と比較して北京大会はどうか)

 

 

北京冬季五輪が20日、幕を下ろした。英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)は、日本の選手たちの奮闘ぶりを称(たた)え、世界に発信した。同時に、北京五輪を政治や経済など様々(さまざま)なアングルから伝えた。

 

上の英文(日本語訳)はそうした記事の一つの見出しである。五輪開幕直前に掲載した同記事は、先週初めにトレンディング記事の上位に入った。記事では、東京五輪を振り返った短いドキュメンタリー動画も視聴することができる。日本語訳付きである。

 

動画には、コロナ禍で東京五輪の中止を求める声や様々な批判も出てくる。傷だらけになりながらも、1年開催を遅らせてコロナ禍で初の大会は開催された。世界から感謝の言葉を受けた日本の姿が脳裏によみがえってくる。

 

一方、北京五輪はどうだったのか-。

 

大会は中国当局の完全な統制下で、新疆(しんきょう)ウイグル自治区での大規模な人権侵害にふたをして、欧米などが外交的ボイコットをする中で行われた。さらに、スポーツの政治利用はいけないと話していた大会組織委員会報道官が17日、ウイグル人への人権侵害は「嘘だ」と発言するなど、最初から最後まで政治的な悪臭が漂っていた。

 

それだけではない。国際オリンピック委員会(IOC)は、ロシア・オリンピック委員会(ROC)のフィギュアスケート女子、ワリエワ選手のドーピング問題や、中国側の声援禁止ルール違反などには驚くほど寛容な姿勢を見せた。

 

「終わりの始まりかも」-。共産党一党独裁の全体主義国家・中国と手を組んだ「異形の五輪」の将来をそう憂う声が、早くも聞かれている。

 

北京大会期間中、JFは論説記事を含む多くの記事を掲載したが、最も読まれたのは実は、五輪関係の記事ではなかった。

 

「ロシアは2022冬季五輪に合わせてウクライナ東部に侵攻するだろう」

 

こんな見出しでロシアのウクライナ侵攻を約3カ月前に予測し、昨年11月に掲載した記事がこの2週間、最も読まれていた。

 

「ソ連崩壊は20世紀最大の悲劇」。そう明言するロシアのプーチン大統領は、祖国の再興と再統合の夢を掲げる。偉大な指導者としてそれを体現するのが、ロシア人が多く居住しロシア側が自国領だと認識しているウクライナ南部のクリミア半島併合(2014年)であり、今回の同国東部の奪取なのだ。

 

コロナ禍によって欧米が弱体化する中、石油・天然ガス大国のロシアには、エネルギー価格が急騰する冬場は好機だ。巨大な市場を持つ中国が“同盟関係”にあれば、欧米による一層の対露制裁が導入されても、耐えしのぶことができるとの計算もある。

 

一方、香港の民主主義を力で粉砕し、北京五輪で愛国心を高揚させた中国の習近平国家主席が次に狙うのは、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の奪取であり、台湾の完全統一だろう。「中国の夢」を実現させ、習氏が偉大な指導者として君臨し続けるには、通らなければならない道なのだ。

 

米ソ2大超大国による東西冷戦はソ連崩壊によって終結した。だが、強権的な独裁体制を強める中露との新たな東西冷戦はまだ始まったばかりである。JFは新冷戦に備えるため、世界の動向をいち早く伝えていきたい。

 

(JAPAN Forward編集部)

 

 

■次回のJF講座はウクライナ情勢
3月1日のJF時事講座では、ウクライナ人国際学者のアンドリー・グレンコ氏がウクライナ情勢を解説します。お申し込みは、令和アカデミー倶楽部から。JFサポーター入会のお問い合わせは、電話0570-033-433(産経iD)まで。

 

「日本を発信」シリーズは、産経新聞のオピニオン面に掲載された記事を転載しています

 

 

コメントを残す