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中国の国家安全省が「反スパイ」や「反分離主義」などを含む「五反闘争」を宣言した。「五反」は建国直後の1950年代初頭、社会主義建設の障害となる思想を一掃するために展開された社会改造運動「三反五反運動」になぞらえたものだ。国内での経済低迷、米欧との対立長期化という内憂外患を抱える習近平政権は、権力維持のために、毛沢東時代のような強固な独裁に回帰しようとしているようだ。
「五反闘争」が打ち出されたのは4月29日、共産党幹部の養成機関、中央党校の機関紙「学習時報」1面だ。「国家安全保障の揺るぎない保護」と題する陳一新・国家安全相の論文が掲載された。
陳氏はこの中で、習近平総書記(国家主席)が提唱する「新時代の中国の特色ある社会主義思想」を称賛した上で、「五反闘争」を徹底的に行っていくと宣言した。「強力な国家安全保障の壁を構築する」という。
筆者:桑村朋(産経新聞)
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2024年5月15日付産経新聞【国際情勢分析】より