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南海トラフ沿いで想定される震源域の半分でマグニチュード(M)8以上の巨大地震が発生した後、連続して巨大地震が起きる確率は1週間以内で2・1~77%となり、平時に比べ最大3600倍起きやすくなるとの研究結果を東北大などの研究チームが発表した。世界のほかの地域と比べ、連続発生する確率が高い可能性があることも分かった。成果が1月10日、科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。
静岡県の駿河湾から、大分、宮崎両県の日向灘沖にかけての南海トラフでは、フィリピン海プレート(岩盤)が日本列島を乗せた陸のプレートの下に南から沈み込んでおり、巨大地震が繰り返し発生している。震源域の半分でM8以上の地震が起きた場合(半割れケース)は後発地震発生の可能性が最も高いと考えられており、気象庁が南海トラフ臨時情報で「巨大地震警戒」と発表する仕組みが運用されている。
チームはこの半割れケースを念頭に、過去100年超の全世界の震源データなどを用いてM8以上の地震が近い場所で連続発生したケースを抽出。一定の経過時間ごとに後発地震発生確率を計算した。先発地震から3年以内の確率が世界平均5・3~18%だったのに対し、南海トラフ地域では4・3~96%と他の地域より高い可能性があることがわかった。また1日以内では確率1・4~64%で、確率の上昇は平時に比べ460~2万1千倍、1週間以内では同2・1~77%で、同99~3600倍となった。
臨時情報では、後発地震の具体的な発生確率は発表されない。今回の研究の成果によって連続発生の目安を把握することができる。チームの福島洋(よう)・東北大准教授(地震学)は「(先発の)地震前から、後発地震が発生する可能性を十分考えた上で(災害に対する)備えをしておくことが大切だ」と話している。