GLOBAL-FOREX

FILE PHOTO: A picture illustration of U.S. dollar, Swiss franc, British pound and Euro bank notes January 26, 2011. REUTERS/Kacper Pempel/Illustration/File Photo

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「えっ、今日海外送金できない?なんで?」

 

先日、某都銀から海外送金しようとして、私は大きな壁に阻まれた。銀行員は答える。

 

「今は法律が変わりまして、一部の行でしか送金できません。また、予約制になっていて、最短で二日後です」

 

「間に合わないんですが」

 

「そういわれましても」

 

押し問答していてもらちが明かないので、郵便局へGo!でも結果は似たり寄ったり。

 

「マイナンバーカードがあれば、手続きは今日できます。でも最近はマネーロンダリング等の犯罪が多いので、承認に一か月ほどかかり、送金がいつできるかはわかりません」

 

Paypalで送金するのは、アカウント作ればものの30秒。こんなでは、日本はグローバル経済の中で負けるしかないのでは?激しく疑問を感じ、私は知人のバイリンガル経済キャスター、清水昭男さんに電話した。

 

「そんなことになってるのは僕もビックリです。かつて、外為や海外送金は当局に承認された金融機関に限られていました。ただ、こうした業務は21世紀を前に解禁されています。また未明さんはPaypalと比べていますが、Paypal等はFintecと言って、銀行口座と口座の間に入って送金を代行するシステム。個人や会社の口座同士の銀行取引と、そういう代行業者の送金は、全く質が違うということは理解してください」

 

一応、理解はしたが、認証に1カ月はかかりすぎだ。私は今回WISEという会社をインターネットで見つけて、アカウントを作り送金してもらったが、承認なんか1時間ほどで出来た。送金も8時間以内に行われますとの返事だ。銀行や郵便局がいつ送金か約束できませんって情けないですよ。

 

「確かにその時間感覚は、今時信じられませんね。。。。銀行は政府の指導だけでなく、経営の見地からサービスをカットしたいのでは」と清水氏。

 

住宅ローン相談もなくすみたいで、さぼりすぎ! それで今後、日本の銀行は存続できるのか?

 

清水氏はいう。「銀行は口座を管理できる特権が、郵便局は地方に強いインフラがあり、新規参入ができないので残ります」

 

フーㇺ。でも、それにあぐらをかかれても。第一、マイナンバーカードがあっても不十分なら、マイナンバーカードの意味がなくはないか?

 

疑問に思い調べると、マイナンバーも万能ではないようだ。さらに、個人情報保護や自治体ごとにシステムが異なる問題なども山積し、役所の作業が非効率極まりない。この記事を相談した編集者も「だからコロナ給付金も遅れた」と語った。

 

支給の遅延も銀行や郵便局のサービス低下も、かなりの割合で、非効率な情報管理に起因するのでは? 「無論、政府もわかっているからデジタル庁ができる。でも、情報の一本化や、番号による管理を嫌う人々が抵抗する可能性がある」と先ほどの編集者。

 

国民総背番号制が何でいけないの? 国民の多くはすでに、FacebookやGoogle、Paypalなどにひもづけされて情報管理されちゃってる。自分が拒否しなければ、GPSでどこにいるか、その日どう動いたかもみんなわかっちゃうのだ。

 

世界で使えるユニバーサルIDカードの構想は、どんどん進めてほしい。病院のカルテの一括集中管理から、学歴や犯罪歴に至るまで、できるだけ情報を一本化した方が、病気の治療や犯罪防止にはプラスなはず。

 

無論、住所が簡単に漏れると危険だし、更生しようとしている人が過去の犯罪歴に邪魔されて就職できない、ということは起きたらいけない。だから、情報の取り出し方のルールをしっかりと整備しなければいけない。だけど今どき、口座の認証や補助金給付の決定、送金手続きなんか、数十分でできないと!!!

 

承認に時間がかかるのは「犯罪が増えたから」と言うが、犯罪摘発の効率化も進めればいいのです。一部の犯罪者のために、一般人に不自由を強いるのは間違ってます! 日本はデジタル化の遅れを何としても取り戻さなければダメです。政府や公共機関の皆さん、どうぞそこんとこよろしく!

 

筆者:さかもと未明

 

 

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