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台北市内でクリスマスの12月25日夜、「日本の水産品を食べて台日友好を推進しよう」と銘打ったイベントが開催される。
東京電力福島第一原発の処理水が海洋放出されたことを受けて、中国政府は日本の水産物を輸入禁止にした。ホタテなど中国市場への依存度が高い日系水産事業者に大きな影響が出た。
日本の事業者の窮状を報道で知った台日友好団体など複数の関係者らが、「今度は私たちが日本を助ける番だ」とイベントを企画した。これまで中国が台湾産パイナップルや高級魚ハタなどを輸入停止にして圧力をかけてきた際、日本が積極的に受け入れてくれたことへの「恩返し」だという。
水産商社などが北海道からホタテなどを輸入。大きな結婚式場を借り上げ、イベントを盛り上げるため日本人と台湾人の料理人に1人ずつ登場してもらい、料理対決をする演出が計画されている。
約20社の台湾企業が協賛したほか、日本酒メーカーも酒を提供するなど支援の輪が広がっている。入場券は1枚1500台湾元(約7000円)するが、1200枚が約2日で完売した。
イベントの事務局長を務める葉建揚氏は「日本の処理水は国際的な安全基準に合致していることを多くの人に知ってもらいたい」と話している。
筆者:矢板明夫(産経新聞)
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2023年12月7日付産経新聞【台湾有情】を転載しています