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パリ五輪がいよいよ始まります。
今大会は7月24日から8月11日まで19日間に渡って行われ、24日にサッカーとラグビー7人制がスタートから競技が始まり、27日には開会式が行われます。実施されるのは32競技320種目です。
日本代表選手団は、総勢740名以上となり、海外で行われるオリンピックとしては過去最多となりました。
7月5日にはこのうち317人が参加して、日本選手団壮行会を開催しました。私は日本代表選手団副団長として参加し、各競技の代表選手や指導者、スタッフの皆さんとともに、決戦の場に臨む決意を新たにしたところです。
壮行会には、旗手に選ばれた2人の選手も参加しました。ダンス競技・ブレイキンの半井重幸選手とフェンシングの江村美咲選手です。
半井選手は、新競技のダンス競技・ブレイキンの全日本選手権3連覇を果たしている選手。ダンサーネーム「Shigekix(シゲキックス)」としてご存じの方も多いでしょう。江村選手は、フェンシング女子サーブルで世界選手権2連覇という成績の持ち主です。日本選手団の顔としてふさわしい2人が選ばれたと思います。
私も2000年シドニー五輪で旗手を経験しました。開会式では緊張はしたものの、待ち時間に他の国の旗手の選手と会話を交わしたり、入場時には地鳴りのような歓声に包まれ、言葉にならない感動を覚えた記憶があります。シゲキックス選手と江村選手にも、自分のパフォーマンス発揮を最優先に考え、そのうえで旗手という経験を通じていろいろなことを感じ取り、人生のプラスにしてほしいと思っています。
記者会見するパリ五輪日本選手団の井上康生副団長=7月5日、東京・代々木第二体育館(共同)
チームニッポンとして、オンラインで勉強会を継続開催
パリ五輪に向けては、東京五輪から3年という時間の中での準備となりました。私は、パリ五輪プロジェクトリーダーとして、そして、今年3月に日本選手団副団長をおおせつかってからは、両方の立場でチームニッポンとしての戦略的準備に関わってきました。
各競技の大会や強化合宿への視察のほか、昨年から定期的に行ってきたオンライン勉強会もその一つです。
オンライン勉強会は、指導者とアスリートそれぞれを対象にして実施しています。指導者向けでは、私自身、講師としてお話ししたこともあれば、受講者としても参加したこともあります。指導者向け、アスリート向け、どちらの講習会でも、他の競技の方たちとの情報共有と意見交換の場になっており、毎回、新鮮な発見と学びを得る機会となっていたと思います。
こうした時間が果たして競技結果にどのように結びつくかはわかりませんが、日本代表としての自覚と誇りを持つことを促し、さらにはスポーツの価値について考え、オリンピック・アスリートとして自分たちが社会のために何ができるか考える時間につながっていると思っています。
このように日本選手団としてパリ五輪に向け、さまざまなチャレンジをしながら、準備を進めてきました。アスリートの皆さんがそれぞれの目標を実現するため、最高のパフォーマンス発揮ができるよう、心から期待するとともに、全力でサポートにあたりたいと思います。
読者の皆さん、日本選手団、そして世界中のオリンピック・アスリートへのご声援をよろしくお願いいたします!
筆者:井上康生(柔道家)