20240321 H3 Rocket 003

The first stage of the third H3 rocket was unveiled to the press on March 21, at the Mitsubishi Heavy Industries plant in Tobishima Village, Aichi Prefecture. (©Sankei by Juichiro Ito)

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日本の次世代主力ロケット「H3」3号機の機体などが㋂21日、三菱重工業の飛島工場(愛知県飛島村)で報道陣に初公開された。3号機は初号機、2号機と異なり、試験機ではなくなることも発表。そのため、令和6年度に鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げる際は、防災に役立てる国の先進レーダー衛星「だいち4号」を搭載するとみられる。

 

昨年3月に打ち上げた初号機は、打ち上げ失敗により搭載していた国の先進光学衛星「だいち3号」が失われ、試験機には重要な衛星を搭載するべきではないと批判が集中。今年2月に打ち上げた2号機は、当初予定されていた、だいち4号の代わりに模擬衛星を搭載した。だが、2号機が打ち上げに成功したことから、試験段階が終了したと判断した。

 

三菱重工業の新津真行プロジェクトマネージャー(左)とJAXAの岡田匡史プロジェクトマネージャー=3月21日、愛知県飛島村の三菱重工業(伊藤壽一郎撮影)

 

公開された機体を前に、三菱重工業のH3責任者、新津真行(まゆき)プロジェクトマネージャーは「2号機の打ち上げに成功しているので、次は絶対に失敗できない。今後の作業も一つ一つ愚直に進め、3号機も必ず成功させたい」と意気込んだ。

 

H3計画全体を指揮する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の岡田匡史プロジェクトマネージャは「世界中の方々に使っていただける段階に、ようやく手が届いた。3号機を確実に打ち上げ、さらに理想に近く、洗練されたロケットに育てていきたい」と語った。

 

公開されたのは、3号機の1段目(約37メートル)と、4号機以降で使われる予定の2段目(約12メートル)。直径約5・2メートル、全長約57メートルの機体全体から、衛星のカバー(フェアリング)と主エンジン、補助エンジン(ブースター)を除いた、機体の中心となる部分だ。

 

3号機の1段目は、23日に搬出して種子島宇宙センターに移送。既に搬入されている2段目や主エンジン、ブースターなどと、打ち上げに向けた組み立て作業に入る。

 

H3ロケット3号機の第1段機体。2カ所の黒い穴状の部分に主エンジンが搭載され=3月21日、愛知県飛島村の三菱重工業(伊藤壽一郎撮影)

 

H3は、6年度中に2機を打ち上げて引退となる現在の主力ロケット「H2A」の後継。同年度中に打ち上げられる4号機は、防衛省専用の通信衛星である「Xバンド防衛通信衛星」が搭載される見通しだ。それ以降も、新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」や、月極域探査計画「LUPEX」の探査機、火星衛星探査計画「MMX」の探査機などの打ち上げが予定されている。

 

筆者:伊藤壽一郎(産経新聞)

 

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