Japan Braces for What Could Be Strongest Typhoon in 51 Years
(この51年で最も強大な台風に備える日本)
日本では近年、巨大台風による犠牲者が増え、電力・交通といったインフラや家屋、産業などへの甚大な被害が出ている。
今年は先の巨大台風19号(日本上陸は10月12日)による記録的豪雨で、東日本各地で河川が氾濫、大洪水となり、80人以上もの人命が奪われた。加えて、台風15号(同9月9日)では、観測史上最強クラスの暴風雨が千葉県など関東地方で長期に及ぶ大規模停電などの被害をもたらした。
昨年には7月の台風7号による西日本豪雨で260人以上が犠牲となり、同9月の台風21号では、関西国際空港が全面閉鎖に追い込まれる事態になった。
JAPAN Forward(JF)は、これら台風や大地震など猛威を振るう自然災害の危険性に警鐘を鳴らし続けている。上の英文(日本語訳)は、10月11日にJFに掲載された台風19号に関する記事の見出しだ。
記事では、首都圏のJRなどの鉄道や航空、バスといった交通機関の多くが計画運休を予定していることや、それに伴って百貨店や遊園地など多くの店舗・商業施設も休業になること、ラグビー・ワールドカップの一部の試合が中止となることなどを伝えた。
さらに、日本語が分からない訪日中の外国人のために、刻一刻変わる巨大台風の情報を英語で得ることができるサイトの情報も紹介し、台風に不慣れな外国人に最大限の警戒を呼びかけた。
ちなみに、台風19号は英語で「台風ハギビス(フィリピンで命名・素早いの意)」、台風15号は「台風ファクサイ(ラオスで命名・女性の名前)」だ。
JFは、これら2つの台風の被害状況や影響など関係する記事をこれまでに計14本掲載した。1日平均3~4本の記事を掲載しているJFが、いかに多くの力を台風に割いたかが記事の数からも分かる。
その中には、台風15号で成田空港のアクセスが遮断され、外国人を含む1万3000人以上が空港に足止めされ、情報もないままロビーで夜を明かすという混沌(こんとん)とした状況に陥った事実や、時間とともに犠牲者の数や被害が増えた台風19号の悲しい現実も含まれる。
今年、これまでで最も読まれたJFの記事も残念ながら台風の記事だった。
「なぜ、日本がこんな目に遭うのか」「神のご加護と慈悲がありますように」「日本を助けに行きたい」「犠牲者の冥福と家族の癒やし、復興を願います」「神様、どうか日本を助けてください」「大好きな日本のために祈ろう」「日本よ、強くなって」…。JFのSNS上には、世界各国の読者からこんな応援のメッセージがあふれている。
被災者に心を痛め、日本のために祈ってくれている外国人たちが少なからずいる事実は、復興を進める日本にとっては大きな力であり、希望である。心から感謝したい。
地球温暖化が進む現状では今後、これまで経験したことがないようなスーパー台風が日本を襲ってくることが日常的になるのかもしれない。激甚化する災害と懸命に闘い、さらに強靱(きょうじん)な国土づくりに動く日本と日本人の姿を、JFは世界に届けていきたい。
(JAPAN Forward編集部)
※「日本を発信」シリーズは、産経新聞のオピニオン面に掲載された記事を転載しています。